ドーベルマンの話を書こうと思う。
いや、犬の話では無くスキーの話だ。
ドーベルマンというのは、ノルディカが出して居るブーツやスキーのブランド名称だ。
試乗会で気に入ったスキーがドーベルマンだったので即断で購入し、さっそく使ってみた。
先週の話だ。
ショップから取引のあるチューンショップ(どこだかはわからないが。)で納品前に、ベース1°/サイド88°の指定でチューンUPしてもらってあった。
・・・・はずなんだが、朝イチでスキーを履いてリフト乗り場までの移動の間にすぐに気づいた。
これ、ベースのビベリングは1°どころか0.5°にすらなってないかもしれない。(^_^;
ものすごく引っかかるのでまわしにくいのだ。
それでもとりあえず、ポール練習をして見た。
いや、ポールをセットする時点でデラパージュするのもたいへんなくらい引っかかるのでこの時点でかなりやばいのはわかっていた。(苦笑)
だからいざゲートトレーニングを初めても引っかかりまくってまともに滑れない。変なところで足が止まるので傾けないどころか転びそうになる。
今回の練習ではたまたまYコーチが来ていて、しかもゲレンデにファイルを持ってきていたのでベース側だけ少し落としてみた。
Yコーチのファイルに巻いてあるビニールテープ(の厚さ)と歯の宛て方を見る限りは、約0.5°だと思うが、かなりエッジが削れていたので本当にフラットに近い状態だったのだろう。
しかも1本のスキーの両サイドのエッジでそれぞれファイルの当たり加減がかなり違っていたのでかなりレベルとしてはひどいと言わざるを得ない。
購入したショップはいつも利用しているところだし、よくしてくれるのだがそこから出して居るチューンUPショップが駄目と言うことだろう。
まあ、何はともあれ、雪の上で出来る応急処置をしたところかなりマシにはなった。
しかしオイラの好みからするとまだ引っかかりすぎる。
前述のようにデラパージュをするときにまだ引っかかるし、その引っかかり方が均一で無いというか唐突なのがかなり気になった。
この日は練習とは言え、ブロアをセットしていたので1本滑るごとに自分のタイムがわかる。
そして仲間とのタイム差がいつも以上に大きかったのは恐らくスキーのチューンUPが好みに合っていないため、ホント身体を動かせなかったからだろう。
いや、言い訳では無い。ホントに動けなかったのだ。(^_^;
しかし、そうは思うものの正直自信喪失状態だったのも事実だったりする。(爆)
常宿にはクラブのバイスやチューンUP用のしっかりしたテーブルがあるので、夕方宿に戻ったら修正しようかと思っていたがこの日は大きな大会があり、出場する選手たちが乾燥室をほとんど占拠していたため、落ち着いてエッジをいじれる状況では無かった。
余談だが高校生、大学生がほとんどで指導する立場のコーチもいたようだがとにかくだらしない。
話をするとひとりひとりは体育会系だけあって礼儀正しいし、感じのいい若者たちなのだがとにかく自分たちのチューンUP道具をそこら中におきっぱなしにしていて、ほかのお客のことなどまるっきり考えていない。
本人たちもだらしないが、コーチがいながらこの有様では開いた口がふさがらない。スキーを教える前に礼儀や道徳、常識を教える必要がありそうだ。
まあ、それはともかく、とにかく乾燥室で落ち着いてエッジを触れる環境ではない。
しかし焦っても仕方ないので、この日はエッジをいじるのはやめてソール保護のためのワックスがけでやめておいた。
そして翌日ははき慣れているヘッドで滑ることにした。
翌日のゲートトレーニング。
はき慣れたヘッドは購入直後に信頼しているチューンUP専門店でベース1°、サイド88°にしてもらったあとは、特にエッジをいじること無く丸2シーズン履き込んできたものだ。
ある程度以上ベースのビベリングを落としてずらしやすくすることで、一気に足を振り出して傾けるようにするのがオイラの好みに合っている。
それにバーンが荒れてきたときやちょっとした操作ミスに対する許容幅も増えるのでオイラの実力にはその方がいい。
身体がこのセッティングになれているというのもあるが、実際、この板でならかなり積極的に動ける。
そのヘッドを履いてみたのだが、平地でのスキーのずらしやすさがまるで違うし、変な引っかかりは皆無。やはりドーベルマンはオイラの好みのセッティングとはほど遠い状態なのは間違いない。
その証拠にこの日の練習ではかなり思い切って動くことが出来た。結構いい感じだ。
まだまだ課題は多いが今シーズンつかんだフィーリングを再現しながら滑ることが出来た。(^_^)v
とりあえず、自信は回復。ホッ。
スキーの特性的にもドーベルマンはヘッドよりはまっすぐ行きたがる傾向はあるものの、あの乗りにくさはその範疇を遙かに超えていた。
見るとソールのストラクチャーも春先向けと言えばそれまでだが、ものすごく深くなっている。
ストラクチャーはちょっとやそっとではつぶせないのでそれは放っておくことにして、自宅でエッジはきちんと修正することにした。
三角関数で計算すれば、ファイルに巻くテープの厚みと歯を当てる位置までの距離を調整することで1°を狙って削ることは出来る。
薄手のテープをファイルに巻き付けて厚みが狙いに近くなるようにして、その部分を滑走面に押し当ててガイドにして削ればベースのビベリングは出来る。
まずはそれでやってみた。
エッジがどの程度削れたのかを確認するために滑走面側のエッジに黒マジックでうっすらと色をつけてからファイルを当ててみた。ファイル角度のセッティングは約1°だ。
するとトップからテールまでほぼ全面が削れた。。。。(・0・)
これ、仮にも1°指定でチューンしてもらったはずなんだがなぁ。ヽ(´ー`)ノ ハア
今後はショップからお任せで出すチューンUPは絶対に信用しないことにしよう。この状況を考えるとエッジどころかソールのフラットすらかなり怪しい。
シーズンが終わったら前述の信頼しているチューンUP専門店にあらためてチューンUPをお願いしよう。
次の週末もクラブの練習がある。
うちのクラブは硫安をバンバン使ってバーン整備をするので春先の腐れ雪といえどもちゃんとした練習が出来るし、スキーの比較も出来る。
土曜日は午後練習の予定だから、まずは朝イチのフリー滑走の中で、乗り慣れたヘッドと修正したドーベルマンの乗り比べをするつもりだ。
・・・・と言うわけでこの週末にあらためて乗ってみた。(^^)v
土曜日の朝イチはそこそこ冷えたのでバーンは4月下旬としてはよくしまっているコンディション。ゲートトレーニングは午後からなので午前中はフリー滑走。
早速滑ってみると、ベースエッジを落としたおかげで変な引っかかり方はほぼ無くなった。(^^)v
ただし、元々の特性としてエッジが噛みやすくターンでもまっすぐ行きたがる傾向が強い部分はヘッドとの比較では「違い」として感じる。
このスキーはかちかちのアイスバーンでは本領を発揮しそうだ。
ヘッドも固いバーンでのエッジグリップがいいスキーだが、ヘッドが足下を中心に前後1mくらいで雪面に噛む印象なのに対し、ドーベルマンはエッジ全部の長さが仕事をしている感じがする。
その分、ずらしにくさとまわしにくさが若干あるが。
オイラが買い足すスキーを乗り慣れているヘッドにして2台体制を敷くのでは無く、あえて特性の違うドーベルマンを選んだ理由はここにある。
足元の安心感をベースにより深い内傾角を作れるように練習しようと考えたのだ。
この時期にしてはしまっているコンディションとはいえ、所詮は4月の雪。やはりヘッドよりは若干の乗りにくさは残る。
ハイシーズンに乗り比べるともっと良い面が際立つだろう。
ちなみにこの日は午後からゲートトレーニングなのだが、午前中にさんざん荒らされてしまったバーンをコース整備して硫安を入れても、すでに掘れている溝が深くバーンコンディションは最悪。ぼっこぼこの上にその形のままで硫安で固まってしまい、オイラレベルでは何も出来ない。(苦笑)
終いには暴れる足元をコントロールしきれず、片反で転倒してしまった。
幸い、引っかけた方のスキーはすぐに外れてくれたので脚は大丈夫だった。このパターンの転倒だと膝の内側の靱帯を痛めるのが普通なんだが、その点においてはラッキーだった。(^_^)v
ただし、速度が出ていなくて雪面もぐずぐずだったのに助けられたとはいえ、肩から落ちたおかげで肩を猛烈に痛めた。(苦笑)
瞬間的に肩が押し下げられて靱帯がかなり伸ばされたのだろう。
腕がまったく上がらなくなった。肩鎖関節の靱帯損傷って奴だ。
まあ、それはともかく、エッジを修正したおかげでまともな状態になったので問題は解決だ。
あとは深すぎるストラクチャーが気になるし、修正したとは言えそもそものエッジ角度のセッティング自体がまったく信用できないので予定どおり、いつものチューンUPショップへ送ることにした。
信用できるところで1°/88°にきちんとセットしてもらった上であとは自分の好みで調整すればいい。
ちなみにメインで乗っているヘッドの186cm、R25はワックスを掛けるときにサイドエッジをタッチアップするのと傷があれば引っかからない程度に削ること以外はまったくいじらず2シーズン乗り込んだ。
今シーズンも大きな傷をつけること無く無事だったので来シーズンもこのまま使う予定だ。
変にいじらずに自分のコンディションをはかる上でのバロメーターとしようと思っている。(^^)v