バックタービン??? | 木馬の四方山ばなし

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趣味の話や日々の出来事を中心に何となく、自己満足のためにつづっていくブログです。

今朝は雨音で目覚めた。
昨日にくらべると猛烈な雨だ。(^^;) 

昨日の朝も雨だった。
8時過ぎまでは久しぶりに「普通の雨」
その後、雨雲は北の方に流れたらしく雨はほぼ上がった。
気温は金曜までにくらべれば可愛いものだったが、それでも蒸し暑さが残る。
玄関とバルコニーを開け放てば、それなりに風が抜けるためエアコンなしでも居られないことは無い。

この週末は広島へ行く予定を取りやめた。
雨雲レーダーを見る限り、判断は正しかったようだ。

山陰ではまた大雨らしい。



そう言えば、先日書いたBRZのきゅきゅきゅという音のことは友人が教えてくれた。

バックタービンによる音

だという。

しかし、バックタービンってのは聞き慣れない言葉だったので、自分でもさらに調べてみた。
するとブローオフバルブに行き着いた。



なるほど・・・・
バックタービンってコンプレッサー側の共振(共鳴)のことを指しているのね。

なんか、言葉としては和製英語みたいな感じで、いかさまクサイ印象だがすでに市民権を得ている言葉のようだ。
(少なくとも日本では。英語圏でも本当にこういう表現をするのかは不明)


ちなみに、関係はないのだが、世の中に
バックファイヤー
アフターバーン
を混同している人が山ほどいるのにはマイる。。

バックファイヤーってのは吸気側に向かって燃焼ガスが戻ったり、吸気管内の未燃ガスが燃える現象を言うのであり、排気側にぱぁ~んという炸裂音とともに火を噴いたりするのはアフターバーンというのである。
レース仕様のターボ車なんかが良く、減速時に排気管から火を噴いているが、あれはまさにアフターバーンである。


話は戻るが、その昔、ターボ車が全盛の頃はウエイストゲートあるいはポップオフバルブと言っていたが。。。。???


ちなみにターボチャージャーってものの構造を簡単に解説しておこう。

ターボチャージャーというのはひとつの軸の両端に羽根車がついたものであり、それがハウジングと呼ばれるケースに収まっているものである。
片側をタービン、もう片側をコンプレッサーといい、エンジンからでた排気ガスをタービン側に導入して、軸を回転させる。
その回転数は仕様にもよるが最高で20万回転/分と昔は言われていたが、今時の実力はよく知らない。

そして回転したコンプレッサー側で吸気を圧縮しながらてエンジンに押し込む。
エンジンにたくさんの空気と燃料を押し込むことができるので実質的に排気量が大きくなったのと同じ効果があり、出力が向上するというものだ。

通常の自然吸気エンジンでは充填効率(ηvという)は最大になるポイントでも100%を少し超える程度だが、かつてのF1ターボエンジンなどでは過給圧を4barとかにあげていたらしいのでそうなると4倍の混合気が入ることになり、単純に言えば排気量が4倍になったのと同じことになるのだ。

ただし、際限なく圧力を上げれば当然エンジンそのものの強度が追いつかなくなり、壊れるため、過給圧を一定以下に抑えるためのデバイスが必要となる。

前置きが長くなったが、ここからが本題であり、そのデバイスについて書いてみよう。


大胆かつ単純に言い切ると次のようになる。

ウエイストゲートバルブ
排気ガスがタービンへ入る通路以外にもそのまま排気管へ導くバイパス通路をもうけておき、その流量を調整するバルブ。
タービンへの入力エネルギーを抑えることで軸の回転数、ひいては過給圧をコントロールするものだ。
一言で言うならば最大圧力を一定以下に制御することで破損を防ぐのが目的。


ポップオフバルブ
コンプレッサーで圧縮された空気圧が設定以上になると解放して、過剰な圧力にならないようにするためのバルブ。
ウエイストゲートに対して、直接的に過給圧を逃がすため、上限圧力をコントロールしやすい。
初期のものやレース専用車ではそのまま大気へ放出していたが、一般車両では排気ガス規制に対応するために解放した混合気をインテークマニホールドへ戻すのが普通。
これも最大過給圧力を制限することで破損を防いだり、出力の制限をかけるもの。

ちなみにかつてのターボF1の後期には同一仕様のポップオフバルブの装着が義務づけられたのは、出力の制限と平準化を図るためだった。


ブローオフバルブ
オイラの理解では、ブローオフバルブはポップオフの進化版と言っていいだろう。
たとえばフルブースト状態からアクセルを閉じた瞬間は、コンプレッサーがめいっぱい仕事をしているのにエンジンへの入り口であるスロットルバルブがいきなり閉じてしまい、過給された混合気は行き場を失い、瞬間的に圧力が上昇する。ポップオフではその追従速度に限界がある。
また開放状態からスロットルを空けた際にもバルブの応答性がワンテンポ遅れる。
そこでポップオフバルブのサクション側に吸気のインマニ側の圧力を導入しておき、スロットルを閉じて、インマニ側が負圧になる力を利用して、ポップオフバルブを応答性良く引き上げてやり、追従性を向上させてやろうというものだ。要するに圧力差が生じた際、あるいは回復した際により積極的にバルブを動かすことでレスポンスの向上を図ろうというものだ。
つまり、最大過給圧を制限するという目的よりはむしろ、アクセルオンオフの時の圧力差からくる部品へのダメージ低減と再加速時の応答遅れを最小限にするためのデバイスといえる。


ここから先は、先のウィッキーさんに詳しく載っているので割愛するが、バルブが作動していれば、それを大気解放するにせよ、吸気の上流側に環流するにせよ、コンプレッサーとスロットルバルブ間の圧力は適正に調整されるが、その圧力解放システムを殺してしまうと今回のような音が発生すると言うことだ。

行き場を失った過給圧は反射波としてコンプレッサーに戻るが、逆流しようとする圧力波は当然、軸を反対方向に回そうとする力を発生する。
かたや、排気ガスに力によって回し続けようとする一方で、反射波が軸の回転を止めようとする。
このとき、軸の回転が不安定となり、ある領域ではサージング(共振、共鳴)となり、音を発生すると言うことだろう。

オイラ、ターボやスーパーチャージャーのことはある程度知っているつもりだが、所詮は知識だけ。
全く触ったことはないので、所詮は机上の知識。
反射波でサージング、ひいては音を発生するというの全く知らなかった。
自称エンジンおたくとしてはお恥ずかしい限りだが、良い勉強になった。


だが、ターボエンジンについてはあまり詳しくないが故に次々と疑問がわいてくる。(^^;) 

ポップオフやブローオフがあると圧を逃がしたあとの圧力復帰にどうしてもラグが発生するが故に、特にレースの世界では対応が必要となる。
今回のBRZのように圧を抜かない場合は圧力自体の低下は最小限に抑えられるはずだ。
だがその反面、反射波が軸の回転を止めようとする以上、ターボユニットの回転数の低下があるはずだが、圧力低下によるレスポンス遅れよりは反射波による回転数低下のほうがトータルでは性能メリットがあると言うことだと思うが、その差がどのくらいあるのかが興味あるところである。

あー。
エンジンおたくの妄想は止めどなく広がるのであった。(^^)v