通勤途上で海沿いを走ると天気が良くて空気が澄んでいるときには思いの外、富士山がきれいに見えることがある。
スクーター通勤の際にいつもコンデジを持ち歩き、きれいに見えるときにはちょっと寄り道をして撮影することにしている。
寄り道と言っても立ち止まっているのは時間にしてせいぜい2、3分。
カット数は多くても10カットくらいだ。
都心の空気を透かして眺める富士だ。
大気の状態に大きく左右されるため、夏場に見えることはほとんどない。
やはり空気が澄んで視界が良くなるのは冬が多い。
特に西高東低の冬型の気圧配置の朝は確立が高い。
まあ、そうは言っても時間帯によっては雲がかかったりしていることも多いため、たまたま通勤で通りがかったときに見えたら・・・というレベルなのでそうそうチャンスは多くない。
数えたことは無いが、年に10日あればいい方かなぁ。
今年の3月11日にフラッシュバックしてみよう。
東日本を大きな地震が襲い、津波が東北沿岸部に壊滅的な被害をもたらした。
生活空間だけではなく、様々な業界の拠点も大きなダメージを受けた。
原発事故による住民避難や物流の制限も続いた。
一時的にガソリン不足となったため、2、3週間は都内を走る車が激減した。
当時、オイラも苦労しながらも、所有するバイクからガソリンをかき集めて、一番燃費のいいスクーターでの通勤はナントか続けていた。
たまたま冬型の気圧配置が続いたためなのか、車が激減したおかげで空気がきれいになったからなのかはわからないが、震災直後の数日間は、富士山がきれいに見える日が続いた。
悲しいほど、美しい富士の姿だった。
しかし、カメラを手に取る気分にはなれなかった。
その後、春が過ぎ、夏となると例年通り、霞(というと聞こえがいいが、実態はスモッグと呼ばれるたぐいのものだろう。)に遮られてほとんど見える日はなかった。
先日、ようやく秋本番を迎えた日の朝。
低く垂れ込めた雲に隠れるようにかすかに富士山が見えた。
久しぶりにカメラを取り出してみた。
肉眼ではきちんと認識できるが、写真では低い雲と同化してしまい、判別は難しい。
まだ冠雪していないことも見えにくくしている原因のひとつだろう。
天災や人災。
いろいろあっても自然界の営みは繰り返されていく。
その時々に応じて、少しずつ姿を変えることはあってもその営みを止めることはない。
富士の山頂付近が白くなる日もそう遠くないはずだ。
オイラもそろそろ定点観測?を再開しようと思う。
そう思いきや、先週。
ようやく、冠雪が見て取れるようになってきた。
これまた写真では判別が難しいが。。。(^_^;)
明日からはまた寒くなるらしい。
明日の朝は期待できそうな予感だ。
少し早起きして出かけたいなー。
ちなみに今まででいちばんフォトジェニックだったのは昨年の初冬、いや、2月くらいだったかなぁ??
上空にはまだ低く黒い雲が垂れ込めているのだが、なぜか地表に近いところはクリアで富士山がくっきりと浮かび上がっていた。
さあ、いろんな事があった2011年だけど、最後は美しく飾って欲しいものだ。