ブルーサンダー号・チューブレス化大作戦 | 木馬の四方山ばなし

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趣味の話や日々の出来事を中心に何となく、自己満足のためにつづっていくブログです。

春からすっかりはまっているTLM220Rでのトレッキング遊び。


お盆休みを挟んで、ブルーサンダーにかかりっきりだったのでそろそろまた再開しようかと思っている。

今まで、いろいろと乗りやすくするために手を入れてきたので、現時点ではとりあえず、大きな不満はない。

強いて言えば、TLMに関する次なるミッションは

チューブレス化

である。


今やトライアルバイクでは(少なくともリアタイヤは)チューブレスが常識である。
軽いこととしなやかに地面をグリップするためである。


もう少し今のタイヤが使えるので、タイヤ交換のタイミングがきたら、チューブレス化を試してみようと思っている。


リアはタイヤ自体がチューブレスタイプなのでおそらく大きな問題はでないと期待している。


問題はフロント。
低圧での走行時のリム打ち~チューブピンチによるパンクを回避するためにチューブレス化は有効なはずだが、もともとがチューブレス用ではないタイヤでは、どの程度のエア圧の保持性があるかどうかはやってみないとなんともいえない。

ビードシーラーというものを使えば、ビードやリムの傷や変形部からのエアリークをある程度防いでくれるらしい。




そんなことを考えていたのだが、ちょうど北海道でブルーサンダー号のタイヤを使い切ったので、まずはダメ元でWRのチューブレス化をトライしてみることにした。


おなじWRでもモタード仕様の方では半ば常識化しているチューブレス化。


しかし、高圧ならばビードが落ちることもないが、オフロード走行時の様に空気圧を下げるとビード落ちのリスクが高まる。。。
それにモタードの連中が履かせるタイヤはチューブレスタイヤだ。
チューブ用タイヤとはビード部分の剛性が違う。



しかし、モタードタイプよりはずっと低いとはいえ、林道走行程度ならばエア圧は落としても0.8kgf/cm~2レベル。
少なくともビードが落ちることはないはずだ。


あとはチューブレス対応では無いタイヤでエア圧の保持性能がどの程度あるかだが、こればかりはやってみないとわからない。



いろいろ調べた結果、モタードタイプのバイクの多くが使っているのがこのタイプ。


オーテックス(粘着テープタイプ)
http://www2s.biglobe.ne.jp/~outex/tubelesskit.htm



粘着テープでスポークのニップル部分を覆ってエアが漏れるのを防いでいる。
カワサキのW650やヤマハのSR500のようなワイヤースポークホイールを採用しているオンロードバイクに使っている人も多いらしい。


しかし、このタイプは低圧での使用には弱いと言う話だ。




さらに調べてみると、こんなのもあった。


チューブリス(ビード抑え用インナーチューブタイプ)
http://www.mcgear.net/hard/tire/tubliss.html



スポーツ自転車用のような細いチューブを使ってビード部分をリムに押しつける。

このチューブの内圧は8~10kg/cm^2とまさしくロードレーサーのそれと同等である。

そしてメインのエア室はそれこそ、ごく低圧で使用してもOKらしい。
ビード部分は別チューブで押さえ込んでいるので理屈ではたとえパンクしてもビードが落ちることはないのでエンデューロレースに出るような人が使っているらしい。


しかし、ミクシのWR250Rのコミュなどでもいろいろ情報をもらったところ、チューブリスは気密性能が低く、1日でエアが抜けるなどという話もあった。



さんざん迷った末に最悪失敗してもあきらめがつくという意味で、値段の安いオーテックスのキットを購入した。


まあ、オイラの場合、MXコースを走るのはせいぜい年に1回か2回。それもコンディションの良いときにしか走るつもりはないので、それほど低圧で走ることはない。

それに基本は林道ツーリング使用だし、なんと言ってもチューブリスとオーテックスでは値段が2倍くらい違う。




もちろん、あらかじめビードシーラーも入手しておいたのは言うまでも無い。。


まあ、うまくいくかどうかは、はっきり言ってギャンブルかな?
最悪、使い物にならないときは潔くチューブを入れようとは思っている。(爆)




ところで話がそれるが、目から鱗だったのが、


チューブリス取り付けビデオの2分50秒からの作業!!

http://www.mcgear.net/hard/tire/tubliss.html


今まで何度もタイヤ交換を自分でしてきたが、新しいタイヤを最初にリムにはめるところは正直あまり要領良く出来なかった。
しかし、上記のビデオのように
裏に滑りの良い板を噛ませておけば・・・・

さっそくDIYショップでプラスティックの段ボール板?みたいなのを買ってきて、タイヤサイズにあうようにカットしておいた。




まあ、前置きが長くなったが何はともあれ、トライだ。
昨日、今日は特別予定もないのでチューブレス化の作業に取りかかった。



事前情報ではオーテックスタイプはリム幅が広い方がやりやすいという話だったのでまずはリアから。


丸坊主になったT63をリムから外し、まずは慎重を期すためにリムを念入りにチェック。



木馬の四方山ばなし-rim01


バリなどがないかどうかも確認し、#300の耐水ペーパーで軽く磨いた。
溶接の継ぎ目は念入りにチェック。
特にバリなどはなかったが溶接部の面が荒れている部分には念のためにリューターもかけておいた。


木馬の四方山ばなし-rim02


そして脱脂。
はじめはパーツクリーナーを吹き付けてウエスでごしごしとこすり、あらかたきれいになったところでラッカー薄め液を使って脱脂。


その上で、キットを組み込む。

厚さが1mm近くある両面テープでスポークニップルを覆うように貼り込んで行く。
一見、柔らかめのビニールのようだが体温程度の温度でも柔軟性が増すタイプらしく、のびが良い。
空気の通り道が出来ないように慎重に貼っていく。


こすりつけながらの作業なので指先に絶えず力を入れているため、結構指が疲れる。
仕上げにタイヤレバーのへら部を使ってさらにきっちり貼り込んだ。


次は両面テープの外側に保護用の樹脂のテープを貼っていく。

これが終わったらリム側の準備は終了。


木馬の四方山ばなし-rim03



次はタイヤのビード部分を清掃した後、ビードシーラーを塗り込んでおく。
数分で乾くのでタイヤのビードとリムの内側にビードクリームをまんべんなく塗布。


木馬の四方山ばなし-tire



ここまで来たらいよいよ最終段階。
タイヤのビード部分にゴミや砂を噛み込まないように注意しながらリムにタイヤを組み込む。



木馬の四方山ばなし-good idea

ビデオをまねして用意した半月形状の板は実に良い仕事をしてくれた。

リムをタイヤにすんなり押し込むことが出来た。(^_^)v



次はタイヤのビードをタイヤレバーを使ってリムにはめていくのだが、チューブを入れないですむし、ビードストッパーもないので作業そのものは至って楽ちん。



最後の難関は「耳だし」

チューブタイプならばしみじみとエアを入れていってもビード部分に滑りをよくするビードクリームさえ塗っておけば問題は無い。
しかし、チューブレスの場合は一気に圧力を上げないと、わずかな隙間からエアが逃げ続け、いつまでたってもビードがリムに密着しないという状況になってしまう。


とはいえ、エアコンプレッサーなんて持っていないので、手押しのポンプで何とかしなければならない。

そこでハンドポンプでみみ出しをする場合の常套手段。


タイヤの外周にタイダウンを巻き付け、タイヤを締め上げる。

ビードをリムに押しつけることでエア漏れを防ぐのだ。



・・・・・と思っていたのだが、あらかじめ単品タイヤにチューブを入れて膨らみ癖をつけておいたのが良かったらしく、ダメ元でそのままハンドポンプでエアを入れたらあっさりみみ出し終了。(^_^)v


作業マニュアル通りに密着性が安定するまではと言うことで3kg/cm^2程度までエアをあげてみるが、特にエア漏れをしている感じはないのでそのまま車体に組付け。




なぁ~んだ、やってみるまではドキドキだったが案外あっけないじゃん。




気をよくしてお次はフロント。


リムが細い分、確かに作業性が悪いが手順は同じ。
手際よくちゃっちゃとすすめ、あっという間にみみ出しまで終了。


作業時間は前後で3時間半。


通常のタイヤ交換が前後で2時間弱だから、それよりはだいぶ面倒だ。
しかし、これでうまくいけば次回からはタイヤだけの交換で済む。
しかもチューブやビードストッパーがないのでタイヤ交換の作業性は格段に良い。

みみ出しさえうまくいけば前後で1時間かからずに交換できるはずだ。




まずは、密着性能が安定するまではと言うことで3時間程度そのまま放置。

3時間後にエア圧を測ってみたところ、リアはほとんど変わらず。(^_^)v


仮に多少漏れていたとしても、マメにエアチェックをすれば問題なさそう。
最悪は丸一日持てば、毎朝出発前に空気を入れれば済む話だ。


今はスクーターが壊れたので通勤に使っているが、基本的にブルーサンダー号はツーリング用だ。
エアチェックの手間は全く問題にはならない。




お次はフロント・・・


んんん・・・・・???

3kg/cm^2入れてあったはずが、1kg/cm^2に落ちていた。orz


やっぱりフロントはリム幅が細いのでニップル部分を巧く覆いきれなかったか?はたまたビードが弱いのでそこからの圧漏れか??


この時点で午後の遅い時間になってしまったため、再度エアを入れ直し、ひと晩様子を見ることにした。



そして今朝・・・・・


・・・・ドキドキしながらエアチェック。。。。



リアは大丈夫。(^_^)v


しかし、フロントのエア圧はゼロ・・・・・orz

だめだこりゃ。




風呂桶に水を張り、ホイールを外して突っ込んでみた。
木馬の四方山ばなし-fr in bath


もしもスポークの付け根からのエア漏れならちょっとやそっとでは直せないのでおとなしくチューブを入れる気になっていた。
しかし、意外にもエア漏れはすべてビードとリムの間からだった。



木馬の四方山ばなし-bubble


とは言え、ほぼ全周にわたり小さな気泡が1秒以下に1ヶの速度で出てくる。

こりゃー、残圧ゼロになるわけだわ。(苦笑)


しかしビード部からの漏れなので何はともあれ、タイヤを外してリムとタイヤのビード部をチェックしてみる。

するとリムにまいた保護テープがビードのシール部にはみ出し気味だったことを発見。


保護テープの幅が少し広かったようだ。

そこでカッターで余分な部分をカット。


木馬の四方山ばなし-retry


修正後は念入りにリムのシール部をきれいにする。


ただし、フロントリムはリアに比べると元々幅が狭く、しかもオフロード用ならではだが、ビードが滑らないように切ってあるローレットがサイドだけではなく、ビードが当たる、径方向にもかかっており、フラット面がかなり少ないのが気になる。

もしも漏れるとしたらこの部分だ。


本気で修正するとなるとリムをがんがん削りこむ事になり、あまり現実的ではない。


まあ、でもだめで元々、このままでもう一度チャレンジだ。


タイヤも入念にチェックしてみると、サイド面に「ひげ」がでている。
タイヤを製造する際にゴムを注入する部分である。

このトゲトゲもシール性を阻害しているはずなので、丹念に1本ずつカッターで切り取った。


木馬の四方山ばなし-hige


そして、ビードシーラーを塗り直し、再度タイヤを組み込んだ。



今回はなぜか巧くビードが上がらず、タイダウンで外周を締めてもうまくいかないので、手持ちのCO2ボンベを使ってみた。

このボンベ、たぶん20年ものだが、ちゃんと機能して一瞬でみみ出し完了。(^_^)v





早速風呂桶につけてみると・・・・・・・



・・・・・・ほとんど状況が改善されていない・・・orz


とりあえず、休憩をかねて圧力を3kg/cm^2ほどまであげて1時間ほど放置してみた。


休憩後、かすかな期待を込めて三度、風呂桶へ・・・・





やっぱりだめなモンは駄目らしい。(爆)




事ここに至っては、じたばたしても始まらない。
それに明日からはまた通勤の足として働いてもらわなければならないのだ。

潔く、フロントにはチューブを装着。


さすがに昨日から何度も作業しているので、手際よくちゃっちゃと終えることが出来た。

やはり、致命的なのはリムに切ってあるローレット加工目だろう。幅の狭いリム故にフラットエリアがほとんど無いので空気をシールできるはずもない。

いくらビードシーラーをたっぷり塗っても無理というものだ。



まあ、現実問題として釘などを拾ってパンクするのは圧倒的にリアタイヤが多い。 
フロントがパンクするのはよほどとがったものにヒットしてしまった場合くらいだ。それもエア圧を落としている場合という状況でない限り、まず起きない。


だから、リアだけでもチューブレスに出来れば万が一のパンクでもいちいちタイヤを外さなくても素早く修理できる。

ま、よしとしよう。
圧力の保持性能は明日からの通勤で様子を見るとしよう。




ちなみに今回履かせたタイヤはミシュランのAG10

ほとんどモトクロス用みたいなタイヤだ。
サイドウォールとビード部分はかなり柔らかい。

舗装路を、しかも高速通勤するには最も不向きなタイヤである。(爆)


しかし買い置きのタイヤはこれしかないので選択の余地はない。(苦笑)


このタイヤほどビードが柔らかいタイヤは他には知らないので、このタイヤで実用に耐えるだけの圧力保持性があれば他のタイヤでも行けると思う。

逆に言えば、フロントも違うタイヤならば・・・・という思いがないわけではないが、まあ、そこはあまり細かいことにこだわっても仕方ない。


ま、当面はフロントはチューブ入り。リアはチューブレスで様子を見よう。


冬が来るまでには、評価がはっきり出ると思う。


乞う、ご期待と行ったところか・・・・(笑)