先週の出来事。
都心部を台風が舐めていった日。
交通網は打撃を受けたままだったが、昼過ぎには晴天となり、一見すると何事もなかったかのような夕刻。
仕事帰りの道。
すでに日が落ちて暗くなっている道。
外灯はあるのだが、間隔が広いのでその狭間は薄く暗い。
乗用車でも2台がすれ違うのは気を遣うくらいの狭い生活道路。
そんな道を走っている時のこと。
道が直角に曲がっている部分があり、対向車の有無に気をつけながらゆっくりと右に曲がっていくと前方の右側にこんもりとした小山?がある。
引っ越しのトラックが布団か何かを落としたようにも見える。
あるいは台風の風に飛ばされてきた「何か」が転がっているのかも思えた。
ボクは一瞬、ぎょっとしてスピードを落としながら近づいていく。
すると、その小山?がわずかに動いている。
若い女性だった。
見ると、荷物を道路に投げ出して地べたにぺったりと座り込んでいた。
文字通り、荷物を投げ出していたので、何事かと思い、一瞬ブレーキを踏んだ。
突然、具合でも悪くなったのか・・・???
あるいはひったりにでもあったのか・・・??
その女性の真横まで来たところで、クルマを止めて声をかけようかと思った時、状況を理解した。
彼女は一心不乱に携帯電話を操作しているのだ。
なにせ狭い道だ。
その女性が座っている位置は真ん中とは言わないが、道の端っことも言えない。
道幅を考えたら、普通なら身に危険を感じるはずのポジショニングだ。
・・・にも関わらず、一心不乱に携帯をいじっていた。
何かよほどのことがあったのかもしれないが、事件性は無いのでボクはそのまま通り過ぎた。
中学生くらいの女の子ならやりそうな事ではあるが、あのシチュエーションではかなりびっくりする。
しかし、二十歳は過ぎていそうな女性だ。
ボクは驚くと同時に呆れつつ、家路を急いだのは言うまでもない。