本日、めでたく「妄想科学研究所」の開設を迎えることが出来た。
私は筆頭研究員の
赤井・理科王(あかい・りかおう)
である。
今日は開設記念に、昨日話題にした
マッハ号のAボタン機能
について科学的検証を試みることにしよう。
ここでは垂直方向の運動のみに着目し、象を飛び越えるためにはどれだけの力でジャンプすればいいのかについて検証する。
尚、上昇、下降時の空気抵抗は無視する。
まず、象の大きさ(高さ)を仮に2.5mとすると、それを飛び越すためには余裕を見て3mの跳躍高さが必要と仮定する。
マッハ号がジャンプするためには、Aボタンにより飛び出したジャッキがマッハ号を3mの高さまで跳べるだけの加速度運動をさせなければならない。
仮にジャッキのストロークを1mとするとマッハ号は1mの高さまでジャッキアップされる間に加速し、そのままの勢いで3mの高さまで跳べるだけの初速を得なければならない。(実質的な跳躍高さは2mとなる)
各項目を以下のように仮定および定義する。
マッハ号が地面を離れる瞬間の垂直方向の速度:Vo(m/sec)
マッハ号の重量:800kg(ドライバー込み)
マッハ号が地面を離れたあと、最高到達点までに要する時間:t(sec)
マッハ号が地面を離れたあとは、外力は重力以外には加わらないことより、重力加速度と等しい大きさでマイナス方向の等加速度運動をすることになる。
すなわち
上昇方向を正とした際のマッハ号の垂直方向の加速度:-9.8(m/sec^2)
この負の加速度運動で最終的に実質2mのジャンプをしなければならない。
最高到達点における垂直方向の速度は当然、ゼロとなることから
V=Vo-at より
0=Voー9.8xt となり、
Vo=9.8xt (---式1) となる。
また、初速Voで時間tの間に移動できる距離は
S=Voxt-1/2xat^2 より
2=Voxtー9.8/2xt^2 (---式2) となる。
式2に式1を代入すると
2=9.8xtxtー9.8/2xt^2
2=9.8/2xt^2
2=4.9xt^2
t=SQR(2/4.9)・・・・・SQRとは「平方根(=ルート)」のことである。
t=0.639(sec)
よって、マッハ号が地面を離れる瞬間の垂直方向の速度は、
Vo=9.8xt
=9.8x0.639
=6.26(m/sec) となる。
次にジャッキ長さ、1mの間でこのVoの速度までマッハ号を加速させるために必要な力を求める。
加速度:a(m/sec^2)
加速に要する時間:to(sec)
等加速度・直線運動における力と加速度、重量、速度、移動距離の関係は次のようになる。
F=ma (---式3)
Vo=ato (---式4)
S=1/2xato^2 (---式5)
まず、式4と式5に上で求めたVoと移動距離(=ジャッキ長さ)1mを代入する。
6.26=axto
1=0.5xaxto^2
この式をそれぞれ代入すると、
1=0.5xax(6.26/a)^2
1=(0.5x6.26^2)/a となり、
a=19.59(m/sec^2) となる。
式1より
F=ma
=800x19.59
=15675(N)
=1599(kgf)
ジャッキの四本足に均等に加重がかかるとすると、足一本あたり約400kgの力で地面を踏み蹴らなければならないことになる。
すなわち、瞬間的にかかるこの力で変形したり壊れたりすることのない、適切な形状と強度をもつボディが要求されることになる。
また、ジャッキアップの瞬間にはマシンとドライバーには垂直方向に19.59(m/sec^2)という加速Gがかかる。
通常の○○Gという言い方をするならば、
19.59/9.80665=1.997
すなわち、約2Gの力が加わることになる。
この瞬間に、ドライバー・三船剛は自分の体重が2倍になったのと同じ感覚を味わうことになるだろう。
ここまで来ると聡明な読者なら気づいていることだろう。
3mまで飛び上がるために、1mの距離で加速し、実質2mのジャンプをする。
その2mのジャンプの間の加速度は重力加速度に等しい。
そしてその2mの距離を飛ぶために必要な初速を得るのに使える「加速距離」は半分の1mだ。
従って、1mの間に発生させなければならない加速度は重力加速度の2倍。2Gとなるのは至極当然の結果である。
そして2Gの加速を生むためには車重の2倍の力が必要となると言うことだ。すなわち、1.6ton。
答えがわかってしまえば、簡単なことだと言うことを理解してもらえたと思う。
さて、長々と空想科学研究所的な・・・・・いや、違った、妄想科学研究所オリジナルの検証をおこなってきた。
とりあえず、飛び上がるという行為においてだけ言えば、ドライバーは意識を失うほどの加速Gを味わわなくても良いことだけはわかった。
しかし、この力を生み出す機構を内蔵した車を800kgで作れるとは到底思えず、かつ、4本トータルで1.6トンもの瞬間的な力に耐えられるようなボディを設計するのは究極のテクノロジーと頭脳を要求されることだろう。
よって、妄想科学研究所としては、
マッハ号はAボタンを押しても象を飛び越すことはできないっ!!
と結論づけるものである。
以上で、このレポートを締めくくろう。
この程度の計算は高校レベルの物理を履修すれば理解できるはずだ。
異論反論は受け付けない。
若くて、可愛い女性の質問だけは個人的に受け付けても良いかとは思っている。
バキッ!!(-_-)=○()゜O゜)アウッ!
これにて終了。
起立っ!!
礼っ!!
解散っ!!
きぃ~ん・こぉ~ん
かぁ~ん・こぉ~ん