高校生でバイクに乗り始めてからというもの、いろんなバイクに乗ってきた。
軽くてパワーがあって、そのくせちょっとピーキーだからパワーバンドを外すともへへへへへ~っと走らなくなる2サイクルエンジン。
バイク乗りとして基本を学ぶのに一番貢献したのが、125cc・2サイクルエンジンのオフロードバイクでエンデューロをやったことだろう。
決して速くはなれなかったがいかにトラクションさせるか、いかにロックさせないでブレーキングをするか・・・
今、いっぱしのベテランぶってえらそうにバイクを語れる基本はこの頃の経験が無かったら、もっともっとお粗末なものになっていたと思う。
もちろん、ツーリングなどで様々な経験をしたこともすべて肥やしになっているのは言うまでもない。
そんな入門バイクとして最適な125ccクラスの2サイクルマシン。
オンロードでもオフロードでも技術的な基本を身につけるには最適だ。
しかし、残念ながら一部の輸入車を覗いてもはやこのクラスで2サイクルエンジンのバイクを手に入れることは難しい。
中古でさえ、玉数はかなり少ない。
環境保護という名の下にいずれ忘れ去られつつある2サイクルエンジン。
小排気量の競技専用モデル(ロードレーサーやモトクロッサー)ではまだ2サイクルは残っているが、大排気量ではすでにほぼ駆逐されてしまった。
ロードレースの大排気量カテゴリにおいて2サイクルエンジンとともに忘れられつつある言葉がある。
プラグチョップ
何のことだかわかるだろうか???
空手チョップとは訳が違う・・・(爆)
2サイクルエンジンはキャブセッティングに対してかなり敏感である。
昨今のマシンのようにいろんなセンサーなんか無かった時代にはそのセッティングを確認する一番の方法が、スパークプラグのやけ具合をチェックすることだったのだ。
アクセルを閉じたり、パーシャルが続くとプラグはくすぶり気味になる。
これでは一番大事な、全開付近のセッティングはわからない。
そこでライダーはストレートで全開走行をしている最中にキルスイッチを切ってエンジンを止めるのだ。
そうすることによって、デトネーションなどのトラブルが出やすい全開付近での燃調を確認し、セッティングに役立てたのだ。
かつてはフリー走行の終わりになるとストレートエンドではよく見られる光景だった。
セッションの最後の最後にプラグチョップで1コーナー付近に停車し、メカニックがスクーターで迎えに来るのを待っていたものだ。
もはや見ることはないだろう。
いい、悪いではない、それが時代の移り変わりなのだから。