第8旅第4章:日本一海に近い駅? | もこ太郎の平成阿房列車

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浅野駅 3番線に、下り列車が到着した。

ホームが大きく湾曲している為、車両とホームの間に大きな隙間ができる箇所がある。

ドアの位置によっては、注意を払いながら、大股を開くイメージで列車に乗り込む必要がある。



列車は浅野駅を発つと、海芝浦支線に入り、左手に運河と思われる川に沿ってゆっくり進んでゆく。

左手の運河の向こうにはヤマト運輸の巨大な倉庫、右手の道路の向こうにはJFEホールディングス関連企業の巨大な工場等が見られる。


運河の流れを見ているとあっという間に隣の駅に着いた。

この駅には後程下車してみる。


線路はこの駅まで複線。

そして、この先もしばらくは複線のように見えるが、旅客用の線路は、この駅の先から単線となる。

列車が進む道は、シーサスクロッシング形態の分岐器で、旅客用の線路と貨物用の線路に分けられるようだ。

運河と反対側に張られている線路は貨物専用となっているようだが、現在その線路は使用されていないのであろうか?

錆が目立つ。


列車は、駅を発車すると間もなく右に大きく、大きく、ゆっくりカーブし始める。

カーブの途中で、並走していた貨物用の線路は途絶えてしまう。

そしてカーブを曲がり切ったタイミングで、目の前には海が広がり、小さなプラットホームが姿を現してくる。

列車はスピードを落とし、停車位置を確かめるように、ゆっくり停車した。



到着したのは、海芝浦支線の終着駅

「海芝浦(うみしばうら)駅」


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ホームに降りると、その眼下まで海が迫っている様子が伺える。


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この駅は「日本一海に近い駅」としてしばしば取り上げられている。

その一方、一番海に近い駅は信越本線の「青海川(おうみがわ)駅」だという根強い意見もあり、鉄道ファンの間でよく議論のネタにされている。


この駅を訪れた時はあいにくの空模様であったが、天気が良いとベイブリッジ等が見渡せるそうだ。


さて、改札を出てみることにしよう。


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するとそこには注意書きが施されていた。

「この先は東芝の工場敷地なので、関係者以外は改札を出られません」


実はこの駅、東芝京浜事業所の私有地内にあり、社員または関係者以外は改札を出られない。

駅の出口が、そのまま工場の入り口となっているのだ。

改札に人がいるが、彼らは駅員ではなく東芝の守衛である。


一般の乗客は、この駅から一歩も外に出られず、そのまま引き返すしかないのである。
近年、その一般の乗客の為に「海芝公園」なるスポットが開園されている。


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ちなみに東芝の敷地内にある駅ということで、JRは東芝に借地料を支払ってこの駅を営業しているらしい。


このような非常に変わった要素を兼ね備えるこの駅は、「関東の駅百選」にも選定されるほど著名な駅なのである。


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鉄道ファンでない人でも、この駅を知っているという人、或いはこの駅に訪れた事のある人は年々増え続けていると思われる。

この日も、この駅を訪問するだけの乗客が何人も見受けられた。

デートにこの駅を訪問するカップルも中にはいるのではないだろうか?


一風変わった駅をたくさん従える鶴見線だが、海芝浦駅はその極みであろう。


最後に駅名の由来だが、「芝浦」というのは東芝の前身「芝浦製作所」のことであり、この駅が海に面していることからつけられたそうだ。



列車は20分程で鶴見に折り返す。

この列車を逃すと、次の鶴見行き列車は2時間後。

2時間ずっと海を眺めているのも悪くは無いが、今はそんな余裕はない。


次は必ず、天気の良い日に訪れることを約束して、駅を発つことにする。


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