第7旅最終章:下仁田駅 | もこ太郎の平成阿房列車

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列車は千平 をゆっくり発ち、 のどかな田園風景の中に真っ直ぐ伸びた線路の上を進む、といった今までの車窓は全く対照的な景色を映し出す。


鬱蒼とした深緑の林の中に敷かれた線路は、左右にカーブし続け、勾配をゆっくり力強く昇って行く。

その様相は、まさに登山鉄道を思わせるほどだ。

線路脇の勾配標を見てみると、勾配は16.67パーミルが最大傾斜らしいが、それ以上の勾配を昇っているような錯覚に陥る。

車内からの見晴らしも良く、上州の山々がすぐそばまで迫っているかのように見える。


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しばらく進み、少し開けた場所に踊り出たと思ったら、そこは上信線の3つの信号所のうちの1つ「赤津信号所」であった。

私の乗った列車は、上り列車と交換を行った。


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上信線唯一のトンネルを抜けると、線路のすぐ脇に国道254号線が姿を現し、民家や商店が見えてくる。

線路も真っ直ぐに戻り、勾配も平坦になり、いよいよ上信線の終幕を迎える。


列車は徐行し始め、プラットホームにゆっくり、ゆっくり入線した。



上信線の終着駅「下仁田(しもにた)」


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頭端式ホーム1面2線、そして留置線を4本ほど従えている。

留置線には、出番を待つ車両の他、現在使用されていない貨車が何両か放置されている。


上信線は、過去の記事 に記載したとおり、群馬(上州)と長野(信州)を結ぶ予定の路線であった。

それは実現せず、途中駅になる予定だった下仁田駅は、やむなく終着駅にさせられた。

しかし、終着駅という役を100年以上も続けていると、自ずと終着駅としての風格も出てくるというものである。


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そして、この駅も思わず見とれてしまいそうな木造駅舎を構えている。

駅周辺は民家や商店が点在するが、例外なく静かであること、そして夕方に近い時間帯で、かげってきた日差しに照らし出される駅の姿が、何とも言えない哀愁感を味あわせてくれる。


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これにて、上信電鉄上信線、全駅下車達成…



いや、まだ目的を達成していない…


ここで下仁田名物、ネギとこんにゃくを買わないといけなかったのを思い出した。



駅前の売店に入ってみる。

刺身こんにゃくは陳列されているが、太くて短くて、根っこの部分が球根のように丸くなっている、あの独特の姿の下仁田ネギが置いていなさそうだ…

やはり普通の売店には、農産物は置いてないものなのか…


仕方なく、刺身こんにゃくだけ買って帰ることにした…

でも今思えば、ネギを背負って電車に乗ったら、車内が臭ってしょうがなかったことだろう。



1日に20駅も下車すれば、それだけで達成感も一入(ひとしお)だ。

私は上機嫌で、高崎行きの列車に乗るのであった。





さてここで、群馬阿房列車の旅に引き続き、上信電鉄の総評をしてみたい。



上信電鉄の魅力って、何だろう?


「上州のシーラカンス」と呼ばれている電気機関車「デキ」の存在?

千平~下仁田間の、あの爽快な車窓?

重要文化財「富岡製糸場」に案内してくれる路線?


全て間違いではないだろう。それはそれで、立派に誇れる魅力だと思う。

しかし私は、上信電鉄の魅力は「駅」にあると思う。


上信電鉄に乗った時は、どこでも良い、どこか一駅、木造駅舎を有した駅に下車してほしいのである。

そして、木造駅舎と一体になって、のどかに流れる時間を味わってほしい。

趣を変えて、千平のゆるめの秘境感を味わうのも悪くないだろう。



ここで、上州一ノ宮駅に掲げられていた、石碑に刻まれた言葉を引用させて頂く。


 「ふるさとの駅には
  優しい母のにおいがする
  旅から帰ってくると
  そのふところに抱かれたくなる」


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都会の喧騒の中で毎日生活している人にはぜひ、上信線に乗って頂き、駅に降りて欲しい。

たとえふるさとの持たない人でさえも、言葉には言い表せない懐かしさを感じ取ることができるのではあるまいか?



百年以上の歴史を持つ上信電鉄だが、この先も上州の田園の中を、いつまでも走り続けて欲しいと切に願うばかりである。



なお序章 でも書かせてもらったが、今回のレポートは、高崎駅から下仁田駅まで、駅の並びの順番通りに各駅を紹介しているが、実際には「3駅進んで1駅戻る」戦法で全駅を巡っている。

この方が順番通りに駅を巡るよりも時間を短縮できる為である。

実際の軌跡は、「旅の軌跡 」を参照されたい。

上信線の全駅を、一日で巡りたいとお考えの方の参考になれば幸いである。



長々と上信電鉄のレポートを行ってきたが、今までのレポートがすべて無駄になるような、たった一言で上信線のすべてを言い表せるような呪文が、実は存在する。

その魔法の言葉を覚えて頂いて、今回の旅を〆たい。


その言葉とは…





























「なんじゃい!!」



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