第3旅最終章:観音駅 | もこ太郎の平成阿房列車

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コース料理の〆には、デザートが出されるのが定番である。


別に狙っていたわけではないのだが、銚子電鉄全駅降り潰しの旅のゴールは、偶然にも甘味の効いた駅となってしまった。


仲ノ町 から、外川行きの列車に乗って1駅で下車。


「観音(かんのん)駅」

もこ太郎の平成阿房列車


駅名の由来は、駅の近くに飯沼観音がある事から。
1面1線の単式ホームに降りた途端、犬吠駅と同じように女性駅員が出迎えてくれた。
ホームは全面に渡りタイルが貼られている。

もこ太郎の平成阿房列車


窓口も仲ノ町、笠上黒生外川 とは一変して現代風になっている。

もこ太郎の平成阿房列車

駅舎を外から見てみると、その造りは洋風の洒落た印象を持ったものであった。

もこ太郎の平成阿房列車


細部までよく造りこまれた駅だという印象を受ける。
しかしよく考えると、銚子電鉄の駅々は、木造の駅舎と洋風の駅舎がバランス良く配置されている。
私は木造駅舎のほうが好きだが、その駅間に洋風の駅舎を入れる事によって、木造駅舎の鄙びた感じがよりいっそう引き立てられているような気がする。


しかしこの駅の名物は、駅舎の中にたい焼き屋が併設されている事。
私が訪れたその日も、甘味を求める若い女子のグループが、たい焼きが焼けあがるのを待っていたのである。
もこ太郎の平成阿房列車


このたい焼き屋は、銚子電鉄直営の店という事。
店の売り上げが直接銚子電鉄の売り上げにつながるということで、ここでも私は微力ながら、ぬれ煎餅を買ったときと同じく銚子電鉄に援助の手を差し伸べるつもりで、たい焼きを買ってみる。
クリーム入りのたい焼きもあるが、たい焼きといえばやはり餡入りに限るであろう。
1匹90円。


たい焼きを買ってすぐに、銚子行きの列車が来てしまった。
私はたい焼きを抱えたまま、この列車に乗って帰宅の途に就く。



銚子駅から、成田線経由千葉行の列車に乗り込む。
クロスシートから臨む車窓は、総武本線と大差の無い、田園や森林の風景を繰り返し映し出す。


そんな中、観音駅で購入したたい焼きを食してみる。


サイズは大きめで、餡もずっしり入っている。
それでいてしつこくない、程よい甘さが私の口を潤す。
皮の生地には生クリームでも入っているのだろうか?
決して空腹では無かっのだが、丸ごと一匹ペロリと完食してしまった。
別腹の意味を、改めて感じさせられる一瞬であった。



これにて今回の旅の目的は果たせた。
初めて一つの路線の全ての駅に降りた感想であるが、とにかく楽しめた。
銚子電鉄の駅一つ一つがそれぞれ個性的であったのも、よりいっそう楽しめた要因であろう。
達成感というよりも、「普通の人であれば用も無く全ての駅に降りることなど無いだろう、俺はしてやったぞ」という優越感に近い感情が沸いた。
ある路線の全ての駅に降りるという、鉄道旅の楽しみ方がまた一つ見つかったような気がする。




この旅から2年近くの歳月が流れているが、私は今でも、ふと銚子電鉄に乗った時の事を思い出す。
全線銚子市内にあるこの短い路線。

市民の足、また観光客の足として、幾多の困難を乗り越え今でも根強く走り続けるローカル線。
のんびり流れる車窓からは、銚子の穏やかな町並み、市民の営みを臨むことができる。


列車の姿形が変わろうとも、また「乗ってみたい」と切に思う路線である。
しかし私が今度、何かの機会で銚子に訪れた時には、あの時と同じように、銚子電鉄は元気に走っているのだろうか…?
私の心の中だけでなく、いつまでもこの町を走り続けて欲しい。


根拠は無いが、この旅においても、また私は鉄道によって救われたような気がする。

ありがとう、銚子電鉄



P.S.
本庄駅に降りた途端、私の携帯に借金の取り立ての電話がかかってきた。

台風は去っていきそうだが、私の精神は一気に大嵐に襲われる。
この夜から、また抗鬱剤のお世話になったのは言うまでもない。



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