2023年1月21日(土)NHKホール
ラフマニノフ/幻想曲「岩」作品7
チャイコフスキー/交響曲 第1番 ト短調 作品13「冬の日の幻想」
指揮:トゥガン・ソヒエフ
ソヒエフN響2公演目はロシアもの。しかもラフマ20歳の時の作品とチャイコの25歳の時の作品ということで、とても新鮮に聞かせていただいた。
どちらも若き頃の作品というのは珍しいプログラムでは。貴重な演奏会となった。
そして前回も書いたがBは早々に売り切れて取れなかったためNHKホールのみでソヒエフ公演は終了となる。残念。
ゆったりとはじまった「岩」。
この曲、実演ははじめてかもしれない。
なんだかドビュッシーのようなふんわりした曲。まったくロシアっぽくない。
こういう曲調はソヒエフが得意としそうだなとなんとなく思った。
聞きごたえはないが、美しいと思った。
チャイ1はオケ全体が弾むような音を出していて楽しかった。
第1楽章はなんとなくロメジュリの一歩手前のような感じがあると思ったらロメジュリは1869に作曲され、こちらの1番は66〜68年に作曲とある。つまり1番のすぐあとに作曲されたということだ。
全体的にラフマもチャイコも素晴らしかったがやはりよく知る曲ではない故か、あまり大きく印象にも残っていない。
来期、ソヒエフはラヴェルだのモツベトだのをやり、C定期でプロコのロメジュリをやるが、オーソドックスな曲ばかりなので、もっと面白みのあるものを振ってくれたらなぁと思った。
そういえばC定期は休憩なくさっさと1時間ほどで終わるんだった。このシステムいいなぁ。
ちょっとフードショーで惣菜買ってくる、という感じで演奏会に行く。非常に気軽でいい。
話は変わるが、今月で東急本店が閉店する。
子供の頃から親しんできた本店。非常に寂しい。
ここがなくなると、寝具やタオルなど買う時は新宿高島屋に行くしかない。西武には行く気になれないし、伊勢丹は高すぎる。
東横店跡地に西川のシーツや今治タオルなどを販売する予定はあるのだろうか???ないだろうなぁ。
また、渋谷の良さは、怪しさだった。ちょっと怖そうなタトゥーのお兄さんがいるレコード屋や古着屋なんかが路地にあったりするのがザ・渋谷だったのに、これだけビルが建つともうアングラ感はなくなる。
渋谷を丸の内化してしまったら、こだわりのあるオシャレな人は渋谷に来なくなってしまうのでは。代官山もツタヤの出現によりすっかり犬の街になってしまい(ちょっと前は子連れの街)、どんどんオシャレ民が中目黒へ吸い込まれていっているような気がする。あのスタバリザーブがその頂点だ。
そもそも高校生になって地元以外の人と触れ合うようになって思ったのが、渋谷区民よりも目黒区民の方が断然オシャレだということ。目黒区民はストリート系のオシャレな子が多く、世田谷区民はいたって普通。
今思えば、港区民はただただ金持ちで人と争わずおっとりして品がいい印象だ。
未来の渋谷は高級ホテルが増えるという。海外のお金持ち用に宮下パークでヴィトンやバレンシアガなんかがオープンしたのだろうか?10代20代がメインの明治通りにハイブランドなんてまったく需要がないと思うが。
渋谷をブランディングするなら、ちょっとひねくれた若い子が好みそうな怪しげなカフェやクラブ、アパレル、音楽の店を戻すこと。ちょっと治安が悪いくらいの方が確固たる世界観を持つ若い人には心地いいのだ。
スペイン坂の「人間関係」やハンズ向かいのむげん堂とモンベルを挟んだ脇道のような雰囲気こそ渋谷の本来の姿な気がする。
ビルに囲まれたクリーンな渋谷なんてダサくて人が離れていくだろう。