ゲルギエフ ウィーンフィル 火の鳥 ドビュッシー 最終日 | クラシックコンサート鑑賞日記

クラシックコンサート鑑賞日記

コンサートの余韻を楽しむブログ

2020年11月14日(土)サントリーホール

 

ドビュッシー:『牧神の午後への前奏曲』
ドビュッシー:交響詩『海』~3つの交響的スケッチ~ 
ストラヴィンスキー:バレエ音楽『火の鳥』(全曲、1910年版)
【アンコール】

チャイコフスキー:『眠りの森の美女』より「パノラマ」


指揮:ワレリー・ゲルギエフ
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団



ウィーンフィルの日本ツアーは本日で終了した。

世界を震撼させる未曾有の感染症の最中での海外コンサート。

歴史的なツアーだったのではないだろうか。

 

どうせ来ないだろと思いつつ、はじめに全公演のチケットを確保しておいてよかった。。。

まさか来るとは。

そして、こうした歴史に残るコンサートにいつも遭遇するゲルギエフ。話題の中心にいつも彼がいる気がする。

 

最終日の前半はドビュッシーだった。

ゲルギエフは牧神、海ともに暗譜。

牧神が特に妙にリアルな音で美しかった。

後半のザ・舞台音楽の火の鳥と真逆の雰囲気音楽とでも言おうか、掴みどころのないあやふやな、やんわりとした空気感をウィーンフィルが表現していた。

本日の演目の前半後半の対比が面白い。

 

海はラストでいきなり盛り上がるが、牧神ははじめから最後までなんとなくその場のだら〜っとした空気を奏でる。

これが、客席で婆さんが耳をふさぐほどの爆音でタコ8を奏でた同じ指揮者の演奏なのかと耳を疑うほどだった。

夢心地というか、とにかく美しかった。

 

 

火の鳥はサントリー初日に聞いたが、それより若干テンポが下がり、じっくりと聞かせた気がする。

個々のソロがうますぎたし、シュトイデさんのソロが美しすぎた。

今日は終曲で思わず落涙。なんだかんだドビュッシーの相乗効果というか、ドビュッシーが白黒はっきりしない音楽に対し、火の鳥のストーリー性、映画のように音で情景を見える化しているので、ギャップもあり感極まってしまった。

 

終演後は、ゲルのソロカーテンコールが2回。1回出てきてくれて引っ込んで、それでも拍手はまったく止まなかった。

2回目はステージの中央付近まで出てきて、上品にお辞儀してくれた。ああ、これで見納めか、本当にありがとうと心の中で呟いた。

 

ウィーンフィルもゲルギエフも毎年来日してくれている。

来年もコロナは厳しそうだけど、絶対に来てほしい。

 

私の計算だと、ゲルギエフはマリインスキー・バレエとミュンヘンフィルがちょうど同じサイクルの3年毎に来ているので、来年はマリインスキー・バレエを見学しつつミュンヘンフィルを引き連れて来るのではないかと睨んでいる。

果たして来年のコロナはいかに?