2016年10月11日(火)東京文化会館
チャイコフスキー:幻想序曲「ロメオとジュリエット」
チャイコフスキー:歌劇『エフゲニー・オネーギン』より
・レンスキーのアリア「わが青春の輝ける日々よ」
テノール:エフゲニー・アフメドフ
・グレーミン公爵のアリア「恋は年齢を問わぬもの」
バスバリトン:エドワルド・ツァンガ
・手紙の場面「たとえ死んでもいいの」
ソプラノ:エカテリーナ・ゴンチャロワ
ボロディン:歌劇『イーゴリ公』より コンチャーク汗のアリア~ダッタン人の踊り
・バス:ミハイル・ペトレンコ
プロコフィエフ:十月革命20周年のためのカンタータ op.74
月並みな表現だが、、、、凄かった!!!!!!!
本日のプログラムは、これ以上ないくらいに期待し、楽しみにしていたので、まったく裏切られることなく、この時代に本当に生きててよかった。。。。と思わせる演奏だった。
とはいえ、1曲目のロミオとジュリエットは、あれ?いつものゲルギエフっぽくないなと。。。テンポもだいぶゆっくりだし、どうしたことかと思った。
終わり方もなんだかふわっと終わったし。
なんとなく面倒臭そうに指揮をしているようにすら見えた。
管も結構ひどかった。え〜〜〜、お疲れなのかなぁ、、、と思ってみたり。。
しかし、これがこれからの演奏の前座であって、わざと気合入れてないことがわかる。
なぜなら、これ以降が信じられないくらい素晴らしかったから。
でも、この曲、とっても素晴らしい曲だし、みんな大好きだと思うし、もうちょっとちゃんとやってほしかった。捨て駒にするにはもったいない曲だ。
だからこんな演奏でも、私は美しいメロディーでちょっとウルウルしたのだ。。。
さて、ロミジュリの後がまさに本調子で、ノンストップですごかった。
すごいすごいって、こればっかりで語彙の少なさが恥ずかしいが、本当に凄かった。
プログラムが変更になり、エフゲニーオネーギンから3曲。
これは、オペラ来いよってことなんだろうけど、こちらとしては、生で、本人でオペラの予習ができたようなもので、これは本当に感動した。
後日の本番をより一層楽しみにさせた。
極上の歌声に、ロミジュリは何だったの?という感じのキレッキレの演奏。
あー、こうでなくては、これぞゲルギエフ。
歌手のみなさん、もう〜〜〜たまらなく素晴らしかった。
久々に生声をコンサートで聴くもんだからえらい感動してしまった。
人間の肉声とは思えない声量、表現、あぁ、、、、なんて贅沢なんだろうと。。。
ソプラノの手紙の歌は、泣きそうになった。
美しすぎる。。。
歌手も世界に浸りきって、周りが見えなさそうな表情。。。
そして、細身なのにグラマラス、これはびっくり〜〜!
イーゴリ公もさらに素晴らしく、来年のオペラはイーゴリ、ですか?と言わんばかりの迫力と美しさ。
もう、言葉も出ない。
ミハイルペトレンコ、完全に惚れた。2mあるんじゃないか?身長が。
合唱とオケが聞いたこともないようなド迫力で会場を包む。
これは、生きててよかったと改めて思わせる演奏。
ホントにロミジュリは何だったんだ。
前半だけでも、すべての演奏が終わったかのような満足感。集中し過ぎて休憩時間にかなりボケーとした。
しかも、前半途中で、指をくわえてステージを見ている自分に気づく。
ゲゲッ!赤ちゃんみたくなっちゃってる私。。。
とにかく、放心状態だ。
後半のプロコのカンタータは、一生に一度聞けるか聞けないかのマニアックな曲で、しかもこれもサイレンやらレーニンやら行進の足音やら、ひたすら凄い。
こんな曲を、ゲルギエフとマリインスキーで聞けるという幸せさ。
これぞロシア、あぁ、もう死んでもいい!!!!
ロシア版アコーディオンの音が確かに聞こえたが、1階真ん中くらいだったため、全体が見渡せず、見つけることができなかったが、演奏してたのかな???
最後にオケのみなさんが全員立って挨拶してるシーンも、見つけられなかった。
翌日、親切な方がツイッターで教えてくださいました。3台で演奏していたそうです。
この10月革命のカンタータは、プロコ死後13年経って演奏されたとのこと。
この曲をマリインスキーがやるということで、事前に勉強していたが、どうにも完全な歌詞を得ることができなかった。
それが、字幕ありですこぶるサービスいい!!!!
そして、その字幕の内容が。。。。なるほど、激動の時代ですな。
演奏は、過激極まりない。
もちろんそれが刺激的でいいのだが、前半もだいぶ刺激的だったため、本当にスペシャルな1日となった。
こういう演奏はロシア以外はできないだろう。
不協和音も凄まじかったし、小ネタ(レーニンとか行進とかサイレンとか……)もよかったし、感想が書けないくらい刺激的だった。
プロコとかショスタコーヴィチとか、この時代の音楽がゲルギエフのおかげでものすごく好きになった。彼らの作品ばかり聴いているし、そうでなくても、ロシアの作曲家の作品を選んで聴いている。
しつこいようだが、それまでは食わず嫌いで聴きもしなかった。だって、聴いても難しいんだもの。。。わかりやすいメロディーもなかったり。。。
だから、私は、本当にゲルギエフをリスペクトしており、今回のこのプログラムにも心から感謝している。
それにしても、ゲルギエフの適当な演奏と本気の演奏の差がすごすぎる。
PMFのときの「イタリア」も、え??って感じで無感動っぷりにびっくりしたし、その後のタコ8で、そうそう、これでしょ!!!、でやっぱりリスペクトしたり、不思議な人。意識的にロシア音楽に華持たせてるのかなと思いきや、本日のロミジュリ。
オケも、彼の支持でわざと適当にやるのだろう。
だって、その演奏の差が激しすぎる。
手抜きは、後の感激のためのプロモーションなのだと今日思った。
それにしてもすごいものを聞いた。
今日の演奏は一生忘れられない!!