建築のたび vol.41_1 新・前川國男邸 | 建築のたびblog +.+mokonote+.+

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~建築のたびと日々のできごとを写真とともに綴ります~

建築のたびを写真とともに綴るmokonote/モコノート


日本が高度成長期を迎え、

 生活スタイルに豊かさが求められる時代、

  終の棲家として建てられた建築家“前川國男”の自邸


いまさら説明するまでもなく、

“前川國男”は日本の建築界を牽引し、

  近代建築の発展に大きな役割を果たした建築家


(1)のデザインエッセンスと自身のデザインが継承され、

 奥様への想いが詰まった晩年の作品です


1:ル・コルビュジェに師事



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■『新・前川國男邸(2)

 □ 築:1974/昭和49


2:現在も住宅(賃貸)として機能している為、原則非公開の建物です


■設計:前川國男

 □ 1905-1986(明治38-昭和61)

■日本、東京都品川区上大崎、閑静な住宅街に建つ


前川は数々の公共建築を手がけましたから、

 鉄筋コンクリート造による作品が多い印象ですが、

  木造の構造美や文化・伝統といったものに立ち返る時期があり、

   木造による住宅づくりに努めていました


この姿勢は“木造モダニズム”として括られる様ですが、

 後に、この“木造モダニズム”を鉄筋コンクリート造でも再現する様になります



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【外観】~鉄筋コンクリート造~ ※表札は『前川』のまま
 そのひとつが、この『新・前川國男邸』


 一説には、

  歳の離れた奥様が「安心して暮らせるよう堅固なものを残したい」

   ‥という想いも込められていた様です



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【屋上】

 前川は、師ル・コルビュジェの超有名住宅、

 『サヴォワ邸』の竣工1年前にたずさわったそうです


 暖炉の煙突、曲面のある壁、

  壁から持ち出しされたテーブルやプランターなど、

   師の影響が屋上の設えに見られます


 外壁の仕上げは、

  コンクリートに“べんがら”を混ぜたネオパール塗装


+.+つづく+.+


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