建築のたびを写真とともに綴るmokonote/モコノート
日本が高度成長期を迎え、
生活スタイルに豊かさが求められる時代、
終の棲家として建てられた建築家“前川國男”の自邸
いまさら説明するまでもなく、
“前川國男”は日本の建築界を牽引し、
近代建築の発展に大きな役割を果たした建築家
師(★1)のデザインエッセンスと自身のデザインが継承され、
奥様への想いが詰まった晩年の作品です
★1:ル・コルビュジェに師事
■『新・前川國男邸(★2)』
□ 築:1974/昭和49年
★2:現在も住宅(賃貸)として機能している為、原則非公開の建物です
■設計:前川國男
□ 1905-1986年(明治38-昭和61年)
■日本、東京都品川区上大崎、閑静な住宅街に建つ
前川は数々の公共建築を手がけましたから、
鉄筋コンクリート造による作品が多い印象ですが、
木造の構造美や文化・伝統といったものに立ち返る時期があり、
木造による住宅づくりに努めていました
この姿勢は“木造モダニズム”として括られる様ですが、
後に、この“木造モダニズム”を鉄筋コンクリート造でも再現する様になります
【外観】~鉄筋コンクリート造~ ※表札は『前川』のまま
そのひとつが、この『新・前川國男邸』
一説には、
歳の離れた奥様が「安心して暮らせるよう堅固なものを残したい」
‥という想いも込められていた様です
【屋上】
前川は、師ル・コルビュジェの超有名住宅、
『サヴォワ邸』の竣工1年前にたずさわったそうです
暖炉の煙突、曲面のある壁、
壁から持ち出しされたテーブルやプランターなど、
師の影響が屋上の設えに見られます
外壁の仕上げは、
コンクリートに“べんがら”を混ぜたネオパール塗装
+.+つづく+.+
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