2013年5月3日
手術翌朝。眠れないまま朝がきた。
窓際のベッドで病院の7階の部屋からは、まぶしすぎるくらいの青い空が近くに見えて、気持ちよかった。
今日から、私についているもろもろの管が取れて、動けるはず
看護婦さんがきた。導尿をとる。リンパを青く染色した影響で、おしっこも最初の方は青かったようだ。
足に巻いてあった、プッシュンプッシュン音を鳴らしながらきつくしまったりゆるんだりするものが取られる。あ~解放感。
看護婦さんが、体を拭くための医療用の使い捨てウェットタオルのようなもので、体を拭いてくれる。
これだけでこんなにスッキリするなんて、やっぱり看護の仕事って、有り難い
朝食が運ばれてきた。内臓を切ったわけではないので、今日から食べれるらしい。
朝食は全粥に野菜のおかずなどだったが、食べきれなかった。昼食からは、普通食に戻るんだって
主治医のS先生が、ベッドサイドに来た。イスに座ってゆっくり話す。
「お、顔色いいねぇ。どお?痛くない?痛かったら痛みどめ出すけど?」
昨日は麻酔のせいか、私の顔色が異常に青白く家族が心配していたが、少し回復したんだなと思った。
「大丈夫です。思ったより痛くない」
「そう言う人多いよ。大丈夫そうでよかった。今日退院してもいいよ」
「え?今日?明日じゃなくて今日?もう病院にいてもすることないんですか?」
「うん、ないよ あと少し点滴して、終わったら帰ってもいいよ。」
「えー。家族に聞いてみます・・・。先生、私24%の方に入ってたらしいですね。」
「そうだね。だから、これから左手のむくみに気を付けて行かなきゃいけないよ。重いものを左手で持たないように、傷をつけないように虫刺されとかにも気を付けて。注射・採血・血圧とか全部右手でするように心がけてね。」
S先生は本当にやさしくて、今まで医者の運がないと思っていたけど、今回の先生は本当に好き。
診察の時も、最後に笑顔でポンポンって肩をたたいて終わる。今日も術側ではない方をポンポンってして出て行った。
急いで夫にメールする。「今日退院してもいいんだって。昨日もほとんど眠れなかったから、帰れるのなら帰りたい。迎えに来れる?」
昨日、手術のために仕事の休みを取った夫は、代わりに今日休日出勤していた。
驚いていたが、仕事を早めに切り上げて、夕方迎えに行くからって返事がきた。
やったぁ~一日早く退院決定。
そのあと、胸のレントゲンを撮りに行く。術後の肺炎などのチェックなのかな?
戻ってきて、看護婦さんと一緒に病室を移動。リカバリー室から元の部屋に戻った。
そのあと、回診。総勢6名くらいの先生がカーテンを開けてズラ~っと見えた。
ちょっとびっくり。ドラマみたいに本当にあるんだな。S先生の顔はない。もう一人の乳腺外科の女医さんから、話しかけられる。今日退院するつもりですって答えた。
自由に歩けるようになった。トイレも点滴を転がしながら、自分で行ける。寝返りもうてる。寝不足だったので少し睡眠をとった。
昼食の時間が来た。最後の病院のごはんだ。
でも私のごはんが来ないあれ?もしかしたら、退院だからもう止められた?
ナースステーションに確認に行くと、やはり止められていた。夕食から止めてくださいって言ったんだけど、手違いで売店もGWでお休み。今から見舞いに来る家族に買ってきてもらうから大丈夫ですって言ったけど、急いで1食作りますからって事になって、しばらくして届いた。
午後からは、義母と娘たちが来た。今日からGW後半スタート。子どもたちがお見舞いに来るのは初めて。談話室に行って、子どもたちと久しぶりに話す。
長女は、病院のパジャマを着ている私を見て、「お母さん、病人みたい」。いやいや病人だし
病院までの道のりにおいしそうなお店があったらしく、そこに行きたいとしきりにペラペラ話す。
大丈夫そうだなぁと思った。
二女は点滴が気になる様子。しくみをずっと見ている。
長女は友達との約束があるからと、1時間もせずに帰って行った。
義母が二女と帰ろうとするが、二女が「帰らない」と言い張ってきかない。
結局、二女は夕方退院する時まで、病院に残ることになった。
病室に戻り、私のベッドで二人で座っていた。電動ベッドのリモコン操作をして、「すごい!このベッド考えた人」と感心している。たわいもない話が出来て、二女も大丈夫そうだなと思った。
ちょうど最後の点滴も終わった夕方、夫が車で迎えに来た。
祝日に退院なので、病院の会計は開いていない。
警備員室で、暫定金を払って、後日精算するらしい。
仮入金25万を夫に支払いに行ってもらい、退院した。
(後日、精算したら17万くらいだったので、8万戻ってきた。予定より安かった)
家に戻れた~。わーい、これで眠れる
夕飯は家族で手巻き寿司をした。(←もう生もの食べてるし) ケーキも買ってきてくれた。
あ~おうちは幸せ。当たり前の事が、当たり前じゃない。たった2泊、留守しただけだけど
脇を上げると少し痛かったが、肘を曲げた状態で手先を動かす分には問題なかった。
どのくらい家事が出来るか、義母の手伝いをする。家事程度なら、右手と左手曲げた状態で出来る。
術側の左手は、使いすぎてもよくないけど使わな過ぎるのもよくないので、家事がちょうどよい。
GWは夫も娘たちも家事を手伝えるし、私も動ける自信がついたので、義母には翌日帰ってもらう事になった。
シャワーは今日まで禁止。入れなかったのは2晩だけだった。
久しぶりに、家の布団で心置きなくぐっすり眠った