2013年5月2日クローバー


 入院2日目。いよいよ手術当日。

課題のOS-1も全部飲み干し、朝は絶食。

7:30に検査室へ行くように言われていたので、一人で向かう。

 朝一番の検査室、さむーいあせる

主治医のS先生が暖房を入れてくれて、BGMのスイッチON、機材をたちあげる。

横になり、胸のどこにメスを入れるかを、寝た状態と起きた状態の胸を見ながら決める。

傷が2か所になるパターンと1か所にするパターンとで悩む。

乳輪の上の茶色の部分に沿って半円に切って、脇にセンチネル生検のための小さな傷をもう一つ入れるのか、はたまた、脇の下の方に長めに一つ入れるかどちらにしようか・・・。

私の場合、しこりが脇に近い所だったので、乳輪からは遠い。脇の下の方に5センチくらい1か所メスをいれて、しこりを採る作業とセンチネル生検との両方が出来るだろうって事になった。ペンで印を書く。しこり周辺の組織を採った後に、脇のあたりのお肉を採ってくっつけるらしい。ほぼ見た目は術前と変わらないだろうってS先生。

実は今回採るしこりの2cm横に良性のしこりもある。

先生には「そのままで問題ない」と言われていたけど、この時「良性のものも心配なので一緒に採れますか?」って聞いてみる。先生から「大丈夫なものなんだけど・・・心配なんだよね。じゃあ採ろうか?」と了解してもらう。

 その次に、センチネル生検のための事前準備。

胸に微量の放射性物質が入った注射を一本。これがすごく痛かったしょぼん

それともう1本注射を左手の中指と薬指の間に打つ。これは痛くなかった。

リンパの流れを青色に染色するための注射のようで、普通は胸?か腕に打つらしいのだが、先生の研究グループの統計調査に協力するために、指の間に打った。

その統計調査とは、検査のために採るセンチネルリンパ節が、腕のリンパ管と直接つながっている人が24%いる。その24%の人はセンチネルリンパ節を1つ採っただけでも、腕のむくみなどが出ることがある事があり、注意が必要らしい。

2本の注射を終え、体の上から何かの機械(放射線?)を数分当てて、終了だった。

病室へ一人で戻る時、指の間がきれいなエメラルドグリーンになっている事に気づく。しばらく色が残るらしい。

 病室に戻り、手術着に着替えて待機。8:30に、夫と義母が来る。子供たちは平日なので学校。

8:50頃、手術室へ移動するために病室を出発。看護婦さん2人と私たちの5人で、雑談しながら歩いて旧棟の手術室へ。

手術室前のロビーにはたくさんの人が座っている。皆、家族の手術が終わるのを待っている人達だ。

「ここで家族の方は手術中必ず待機して下さい」と言われ、「頑張ってね」と夫に見送られながら手術室の自動ドアに歩いて入って行く。

中には何部屋か手術室があって、幼稚園児くらいの小さい子どもが座っていた。

この子も手術するのか・・・と思うと、私も頑張らなくてはビックリマークと思えた。

いざ、手術室へ。

台に寝るように言われ、両手を広げて仰向けに寝る。点滴の準備、導尿、もろもろの準備を手術室のナースたちがテキパキとこなす。手術室に入って5分もしないうちに「はいこれ吸って」と口元にカバーをされる。まさかこれが麻酔とも知らず、スーハースーハー。ものの2,3回で、目がクラクラする感じがして、これが私の覚えていることの最後。この感覚が今でも鮮明に思い出され、一番嫌な記憶として残っている。


 「○○さん、○○さん」と名前を呼ぶ声がはっきり聞こえる。でも目が開かない。

そのままストレッチャーで病室まで運ばれているのが、耳は聞こえてわかっていたが、私の目は開いていない。夫の声も聞こえる。名前を呼んでいるけど返事はできない。

看護婦さんたちの会話から、病室へついた事がわかった。

しばらくしてやっと目が開いた。「あ~大丈夫ね」と看護婦さん。

夫と義母がベッド横にいた。「大丈夫?頑張ったね」と夫。すぐさま「リンパに転移してなかったよ。」と。

よかったーしょぼん画像上は転移してなくても、顕微鏡レベルでは転移が見られる事もあるはずだから、それが一番心配だった。脇のリンパ節を大きくとると、術後、術側の手が使いにくかったりむくみが出たり、再発の心配も大きくなるからだ。

でも続けて夫が「一つ残念だったのは、1個採ったリンパと腕のリンパ管とがつながってる24%の方に入ってたらしい」

あーそうなんだ汗でもそれ位、平気平気。

夫と話していても、口が苦い。口が苦いと看護婦さんに訴えると、「気管挿管してるから、麻酔しててもオエッてなって胃液が上がったりするのよね。もう少ししたらお水飲めるけど、今はうがいだけしようね」と、横向きでうがいをさせてくれた。スッキリ。

9時に手術開始で、病室に戻ったのが11時過ぎ。看護婦さんから「手術時間は1時間20分だったみたいね。今日は早かったねぇ」とびっくりされた。

今日1日は、ナースステーション前のリカバリー室で過ごし、翌朝導尿を外して自分のベッドに戻るらしい。

リカバリー室には定期的に看護婦さんが来て、検温や脈拍などを調べに来る。点滴もなくなりそうな頃に新しいのを持ってやってくる。

傷の痛みは確かにあったけど、思ったより痛くなかった。痛みどめいつでも出すよって言われたけど、飲まなくても平気だった。

ただ導尿と足に血栓予防のための圧がかかったり緩まったりするものが両足に巻かれていて、全く動けない。何時間かで腰が痛くなってきた。

義母は、子供たちが帰る前にと家へ戻って行った。

夫は横でずっとしゃべり相手をしてくれていた。何を話したか覚えてないくらいくだらない話を11時から18時まで話しながら過ごした。夫がよく笑わせてくれたが、笑ったら傷が痛いって事はなかった。

帝王切開の時の方が、腹筋だったので何をするにも痛かったけど、胸は思ったより痛くない。

昼も夜も絶食。不思議とお腹はすかなかった。

GW中に手術する人は少なかったようで、私のリカバリー室は6人部屋なのに、私一人だった。平日は乳腺の手術の人ばかりでうまってしまう事も多々あるらしい。夫が帰ってからは、テレビを見たりして過ごした。

その晩は寝返りが打てず、腰が痛くて痛くて眠れない。電動ベッドの高さを調節したりクッションを置いてもらったり試行錯誤しても、腰痛は解消されず汗おまけに足のポンプもずっとつけたままなので、うとうとしかできないまま夜が明けた感じだった。