私は常々、保育園や幼稚園の保育方針で、小学校の
質が相当変わってしまうのではないかと思っています。
小学校でいうところの自由な学校生活は、保育園や
幼稚園でいう自由とはほど遠いと思っているからです。
小学校でいうところの「自由」の裏には、必ずと言って
いいほど「集団」があるのです。
公立小学校へ通う場合、皆が地域の幼稚園や保育園
に属し、その大多数がその地域の小学校へ入学するの
ですから、そこの幼稚園や保育園の保育が小学校へ入
学した後も学習や生活に大きく関係すると思っています。
また、園を選ぶ際には、子どもの性格とこれから成長する
上で何を身につけさせたいかを考えてもらいたいと思います。
保育方針には大きく分けて2種類あります。
(すごく極端ですが)
「自由保育」
子どもの主体性を尊重し、やりたいことをやらせる保育
「一斉保育」
集団を意識させ、カリキュラムに則り規律正しく指導する保育
それについてのメリットとデメリットもあります。
「自由保育」
自分で考えたことを行動に移すことが得意で、幼児ならで
はの発想ができる。園のレベルによったは、ただの放任保
育になってしまう→暴走してしまう子ども
園によっては個性を重んじるあまり、協調性に欠ける。
「一斉保育」
ルールを守り、集団を意識することができる。
決まったことしかできなく、自由な発想が苦手。
園によっては、幼児らしさがない。
自分から行動することが苦手。
子どもさんは、どんなタイプですか?
両親が過保護だったり、放任だったりするのであれば、
一斉保育で学んでもらうのも良いと思います。
真面目で躾の厳しい家庭に育っているのであれば、
逆に自由保育を薦めたいと思います。
皆さんの園選択は、この逆ですよね。
自由奔放な子どもだから自由保育ではないですか?
厳しい家庭に育っているから一斉保育?
私は、お子さんの性格とは逆を選ぶとバランスがいいのでは?
という発想もあると思います。
園では、他の園との差別化のために特徴を出した保育
をするところも多々あります。
その保育が流行だったり、評判だったりするので、わが子
の将来や性格はさて置いて、ブランド感覚で園を選んでい
ませんか?
新興宗教のように園を崇拝してやまない親御さんもいたり
しますが、お母さんやお父さんが崇拝しているだけで、実際
子どもの性格にはあっていない場合も多く見受けられます。
家庭での躾がきっちりされ、ルールやマナーをわきまえてい
る子ども。
大勢の中に入った時には「集団」という意識が働く子ども。
子どもらしい自由な発想ができ、行動に移せる子供。
などなど・・・。
幼児期に調和のとれた子どもに育っていなければ、小学校
生活は子ども自身窮屈であり、苦痛なものになり得ます。
絶えず「集団」があるからです。
乳幼児期ならではの個人差のある成長や発想を、
どう「集団」と絡めて保育していくかは、思案のしどころです。
現在も、小学校入学に応じ年長児には、心の準備など
の保育はしている園も多いと思います。
しかし、数年間の園保育の後半で、小学校への移行準備
の過程を今以上に取りいれなければならに日が将来やっ
てくるのではないかと思っています。
例えば、「知る」喜びとは別に「覚える」ということもあります。
子どもは遊びの中で、物事を知ることはこの上ない喜びです。
しかし、「覚える」ということは苦手だったりします。
実際、2年生で出てくる漢字を覚えられなくて困っている
子どももいます。
興味のあることだけを自由にやってきた子どもは、興味
のあること以外を覚えるのに大変な時間がかかりますし、
その前に嫌になってしまします。
何気なく、園を選んでいたりするのですが、近隣小学校
ではどんな子どもも一緒に国の方針に則った学習や生
活を送ります。
そこまでを見据え、子どもの性格と子どもに与える家庭
環境を考慮し、園を選んでもらいたいと思います。