「よいしょ!よいしょ!」
ズボンを履く訓練中の子どもに、保育士が掛け声をかけます。
「ここをもってね。よいしょってあげるんだよ。」
「よいしょ!よいしょ!」
トイレやオムツ替えの後、毎日何度も見られる光景です。
こうやって、何回もトイレやオムツ替えの度に声を掛け教えていくのです。
「△くーん!そこのおカバンを、よいしょ!ってもってきて~。」
△君、キョトンとした顔で棒立ち状態。
「よいしょ!よいしょ!って持ってきてごらん。」
△君、よいしょ!よいしょ!って、履いているズボンのゴムを引っ張っていました。
また、ある時は、「おいでー!」と座って手を広げて待っていると、
ダ~と走ってきたかと思うと、クルッと後ろ向きになり、
後ろ向きに向かってきました。
手を広げれば、ギューって抱きしめてもらえるとか、
抱っこしてもらえるものだと教えなくてもわかっていると思っていました。
でも、△君は、座って「おいでー」=絵本を読んでもらうために膝に入ることだったのです。
△君は、教えたことはできます。
だから、ズボンも上げようとします。
絵本も膝で聞くことができます。
しかし、初めてのことには、もちろん、
何となく、こんなかな~?とか、
言っている意味はわからないけど、みんなの様子をみているとこんなかな~?
というのは、できません。
いつも、頭のコンピューターの回線が一つしか動いていません。
回線を時と場合によって、繋ぎかえることができません。
だから、こちらの言っていることや、やろうとしていることの意味がわからないと
大泣きになります。
回線にないことを教えるのは一苦労です。
頑固?受け入れ態勢が整っていないから?
また、回線が変なタイミングで、変な繋がり方をする場合もあります。
例えば、牛乳が嫌いだったことが、
ある日突然、白いもの全てを口に入れようとしなくなってしまったり・・・。
△君よりも、小さいお友達は、どんどん回線を繋ぎかえて
色々なことを習得し、できるようになります。
最近、こんな子どもが増えています。
1回線しか持たない子どもが増えています。
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