私は看護師として働いています。仕事柄、嘔吐物や血液、排泄物を見る機会は少なくありません。日常生活で急に見たら気分が悪くなりそうなものでも、仕事中は不思議と何も感じません。
むしろ「大丈夫かな」「早く対応しないと」という気持ちの方が強くなります。患者さんを助けることに集中しているので、自分の気持ちを考える余裕もないのかもしれません。
私は日常生活で嘔吐恐怖症だと感じる場面が多くあります。
自分が吐くことも怖いし、誰かが吐くかもしれない状況も苦手です。電車や外食、人が多い場所で気持ち悪くなると、「吐いてしまったらどうしよう」という不安が先に出てきます。
それなのに仕事になると、患者さんの嘔吐物を見ても冷静に対応できる。不思議だなと思います。
パニック障害やうつ状態になってから振り返ると、それはアドレナリンのおかげだったのかなと思うことがあります。実際、仕事中は症状が出ないことも多く、動悸や気持ち悪さを忘れて過ごしていました。
当時は「仕事はできているから大丈夫」と思っていました。でも家に帰るとぐったりしていたり、休日は何もできなかったりしていました。
休職した時に一番怖かったのは、仕事という刺激がなくなることでした。働いている時だけは症状を忘れられていたからです。でも今思うと、その頑張り自体が身体への負担になっていたのかもしれません。
人は意外と自分の限界に気づけません。私もずっと「まだ大丈夫」と思っていました。でも身体は正直で、無理を続けるとどこかでサインを出してくるんだなと思います。