伊勢〜南紀熊野紀行 4日目
過去記事はこちら
那智の滝
熊野方面で当初最も行きたいと思っていたスポットへ。
本当は、熊野三山(「熊野本宮大社」、「熊野速玉大社」、「熊野那智大社」)ぜんぶ回りたかったんですが、伊勢での子どもたちの神社の飽きっぷりを見ると、みんなの満足度を下げてまで行ってもなぁ~な気持ちで、宿でもらったパンフレットを眺めながら、まぁ次回にするかな、と諦めました。
まあ、高さ日本一ってことで、滝だけならビジュアルの凄さで押し切れるだろう、と適当に考えて、1日のはじめに出かけてみました。那智勝浦町の紀伊勝浦という駅のすぐそばのホテルに泊まったのですが、那智の滝はそこから車で20分くらい、山を登ったところにあります。うちの大曽根の店から筑波山神社、くらいの距離です。
これも、本当は熊野那智大社にお参りして、そこから歩いていくのが筋なんだと思いますが、ショートカット()で別宮の飛瀧(ひろう)神社脇の駐車場へ。ご利益をいただく意味では微妙なんでしょうが、子供連れということで、ご勘弁ください

平日なので、そんなに混んではいません。
滝が御神体で、それを龍に見立てての「飛瀧神社」なんですね。


朝からそれなりの暑さではありましたが、滝の側の森の道は、さすがに涼やかです。


伊勢からしていちばん不機嫌だった長女も、滝のそばに寄ったら、「おお~」「ここは来てよかった」と言ってくれました。みんな5分に1回くらい、「早く海行こう」と言い続けていましたが、まあなんとか作戦成功。(笑)
ちなみに地質学的な解説をしますと、前回のエントリーで、紀伊半島は3つの地質体からなっているという話をちょっと上げましたが
こちらの滝は、そのうちの2つの地質体のちょうど境目です。滝を作っている地質体はマグマ起源の岩で出来ていまして、これが堅いんですね。隣の地質体は、堆積岩といって、陸から運ばれた砂や泥が固まってできた岩石で、比較的柔らかい。で、これらが長年の浸食の過程で、柔らかいところは削られ、堅いところは残って・・・という感じで、境目にこのような、極端な地形ができるのです。
スピっぽく話せば、火の力、地の力、そしてここに流れる水の力と、いろんな自然エネルギーが溢れていて、そりゃ龍もいらっしゃるだろ、っていう素晴らしい土地なわけなんですけども(雑な解説)、学術的にも非常に味わい深い場所です。
ああ、、、熊野速玉大社のゴトビキ岩も見てみたかったなあ・・・
(これも火成岩系のすげえやつ)
再び串本の海へ


那智勝浦から再び30分かけて、昨日も訪れた串本の橋杭海水浴場へ。
昨日とは違う駐車場番のおじさんから「つくばの、どこ?」と嬉しそうに声をかけられて、お話したら、現在土浦在住で、以前につくばでお勤めをされていた方なのだそう。海の家をやっているお友達(茨城の人)を手伝いに来ているのだそうで。遠くで会うジモティというのは、嬉しいものですね。(きっとおじさんもそうだったんだろうな)

しっかり泳いだ後は、海の家でご飯をいただきました。丁寧に調理されていて、美味しかったですよ

帰り際に、隣の橋杭岩脇の道の駅でパシャリ。午後はすっかり海も満ちています。午前中の引いているときに、もうちょっと岩のそばによっときゃよかった。。。と後悔先に立たず(笑)

この橋杭岩の手前にごろごろしている岩は、「津波石」といって、過去何回かあった津波でこちらに転がってきた岩みたいです。この文章を書いている2日前には南海トラフ地震臨時情報が出されてしまいましたが、この辺では大地のサイクル的に宿命のようなものなんですよね…。1回行って馴染みになった場所なので、なるべく何事もなく、あっても、被害が少ないことを祈るばかりです。。。
古座川一枚岩、虫喰岩
神社方面は諦めましたが、もういっこ、子供らは車乗ってていいから、一か所地質スポットに行かせてね、と串本から少し内陸の山道に入りました。
新生代のある時期(1500万年前)の火山活動が活発だった頃に出来た、熊野カルデラの一部と言われる一枚岩が、山の中にどーんとそびえている場所があるのです。

どーん

川で遊んでいる子どもたちを入れると、大きさがよくわかりますね。
これが一枚の岩で出来ているのもすごいし、当時の地質的なイベントに思いを馳せちゃいます。

こちらの川の側にいるのはよっちゃんです。
岩に苔のような模様がありますが、こちらは地衣類。木などにはよく生えている、藻類と菌類の共生体で、こんなふうに大きく育つにはとても時間がかかるのですが、こちらはなんと世界最大級の地衣類なんだそうです。地衣類界隈(というのがある)では、とても有名なようです。

一枚岩のすぐそばの道脇に売店があり、そちらで売っていたお菓子です。中がボソボソしているメレンゲ菓子なのですが、なんというか、質感といい、パッケージといい、よくできてる(笑)
そしてここから帰り道がてら、一枚岩のところから車で20分程度行くと、同じ火砕岩でできた、「虫喰岩」という面白いスポットがあります。


長年の風雨(潮風という説も)で浸食されて、こんなふうに穴がボコボコ。さっきのメレンゲ菓子を割ると正にこんな風になっていて(写真撮りそびれた!)、その意味でも良く出来てるなと思った(笑)

この穴を利用している生き物がたくさんいるのだそうで、近くには、たくさんの燕が飛び交っていました。こんなにいっぺんに燕をたくさん見たのは、はじめてかも。
人間も、食料の貯蔵庫やら、願掛けなんかにも使われていたようで、自然の働きで出来たものがたくさんの生や文化を生んだのだと思うと、こちらも味わい深いものがありました。
お魚がおいしい
夕方にさしかかり、ちょっと早めに宿に帰ります。
今日は刺し身を食してみようと思って地元スーパー(Aコープなち店)へ。
食べかけ写真でごめんなさいなんですが、名物というマグロもさることながら、聞き慣れないけどジャケ買いしたお魚の刺し身がめちゃくちゃ美味い・・・

〇〇ブリとオオモンハタ、だったかなあ。1パック300円くらい。
この辺の人たちはこんな美味しいものをいつも食べているのかしら・・・

毎日晩酌で魚の名前もうろ覚え。笑
楽しかった旅もこの日で最後です。
5日目、帰路

ホテルの前、紀伊勝浦駅の側でパチリ。
ここから12時間程度の長旅です。

高速に乗る前に、地元スーパー「オークワ」にてお菓子だのジュースだのを調達。

那智付近のそこらじゅうに看板があって気になった「那智黒」もオークワに置いてあったので、買ってしまったよ。シンプルな材料なんだけど、ふつうに美味しい。
しかし、「奄美群島で作られた黒砂糖」って、那智要素はほぼネーミングのみ…?
帰ってきてから、関西のお友達に教えてもらった、昔の那智黒のCM
「一定以上の年齢の関西人なら誰でも知ってる」らしいんだけど、神戸出身のお友達も知ってました。ローカルからすげえ展開してるな、那智黒。
80年代テイスト特有の謎さ。元気出るわww
商売とは、作ったものをひたすら人々に印象をつけて、全力で売ることなんだな、と大事なことを教えてもらいました。笑

また、嬉しかったのは、三重を出てすぐのPAで、赤福が買えたこと。ご覧の通り、とても足が早いお菓子なので、熊野に2日滞在するとなると、こちらを持って帰るのは難しいかなと思っていたんですね。
もちろん、本店で買うのに比べたらちょっと風情がアレですが、ともかくやっぱり美味しかったです。1箱はいつもお世話になっている近所の友達ファミリーに。1箱は、帰りのうちに食べてしまいました
帰りは、行きの首都高の渋滞に辟易したこともあり、中央道方面に迂回して、圏央道で帰ることにしました。
岐阜、長野、山梨・・・ここはここで独特の地形を眺めつつ、道中は、途中でその時に見たものや、旅の出来事について、ずーっとパパとお喋りしていました。(普段から24hほぼ一緒なので、ある意味日常通り…)
これ以降の帰りは、ほぼ全日程、子供にスマホを取られていたために、ほとんど写真が撮れていないのですが、朝の8時過ぎに出て、休憩をこまめに取りながら、自宅に帰ったのは21時半。長かったです(笑)
色んな意味でパワーの要する旅ではありましたが、こうやって振り返ると、やはりとても楽しく、貴重な旅であったなと思います
伊勢に七度、熊野に三度。またいつか、必ず行ってみたいです

長文お読みいただき、ありがとうございました
完。