九曜社プロデュース
推しをかう
十三スペースコラリオン会場。

クスリの所持で逮捕された1人の地下メンズアイドル(才門大士)。
売れていない彼には、もちろん保釈のためのお金など用意することは出来ない。
彼を推す熱烈なファン(中井静華)は、芸能界には戻れないであろう彼を、保釈金というお金で買ったのである。

もう中井静華さんの狂気的な推し行動は圧巻、むしろ恐怖である。

誰しも独占欲とか支配欲とかは持っているとは思う。
誰かを応援する、推し活動をしている人だとさらに強く持っているんじゃないかと思うようなところも見かける。
自分は全く無い、と言い切れないからこそ余計に前のめりに観てしまう。
彼女の行動は、完全に舵がきかなくなった船のようで、歯止めが効かなくなり流されるまま、考えることを、世間で言う善悪ではなく全て実行してしまうという恐ろしさに繋がっていく。

アイドルの裏側、目にすることは無い!
でも、こうなんじゃないかと思える(想像している)ようなことを上手く舞台の脚本として書かれていた。

地下アイドルとマネージャー(白石朔太郎)との関係性。

アイドルとしての嘘、枕営業、影社会との繋がり…。

推しメンを自分のモノにするための
推し活をする主人公と、もうひとりのファン(百崎さわ)への行動
推しメンとつき合っていると思い込んでの後輩地下アイドル(°RUM、花染あめり、鶴飼彩由里)の鶴飼への攻撃。
真実が分かってからの°RUMへの、ヤ◯◯(吉田恭平)やマネージャー、地下メンズアイドル(緋山翔)を使っての攻撃。


本来陰湿で気分が悪くなってしまうような話しのはずなのですが、
昭和の大映ドラマを見ていた世代にとっては、意外と重苦しいではなく、どこかに懐かしさも感じて観ることが出来た。




最後まで重い話しなので出演者は精神的にも体力的にも大変だったのでは。