DOORプロデュース11周年公演
あべのハルカス近鉄本店ウイング館の9階、SPACE9での公演。

DOORさんプロデュースでの公演は2009年の
『手のひらに声』以来かな。


手のひらに声に出演していた澤井りえさん、このサイクロンに出演の谷野まりえさん、先週観劇した彗星マジックの池山ユラリさんは、観劇する事の楽しさを教えてくれた作品に出演していた役者さんなんです。



 作・演出虎本剛 (ステージタイガー) の挨拶文より


「お父さんはヒーローだった・・・そんな会話劇をお願いします。」

本作は8年前の、河口円プロデューサーのそんな依頼から始まったと記憶して います。

ヒーローかあ・・・と、当時の僕は取材を重ね(特撮ヒーローの映像を見まくりま した!)、自分なりにヒーローの条件を考えました。それは・・・ 
 ・困っている人を助ける。 
 ・実は哀しみを抱えている。 
 ・しかしそれは見せず、正体も明かさない。 
 ・人智を超えた不思議な力を使う。
 というものでした。そこから生まれたのが、真と真弓の親子の物語だったのです。 それから時が経ち、再演の機会をいただきました。本作はより深い意味を持つ ようになっていると感じます。時間をかけて、人と向き合い、丁寧に受け止める。 そんな優しさが、分断と対立を繰り返す今の時代に必要な気がするのです。

今日のこの舞台が、皆様の心に寄り添う、温かくて強くてカッコいい光となり ますように。


泣けた!!

元々今日のお芝居は観る予定は無かったんです。
両親も亡くなり、故郷の家のお手入れを定期的にするために帰ろうと思っていたのですが
どうもお天気が悪いということで日を替えたんです。

で、

観劇の楽しさを教えてくれた役者のおひとりの谷野さんの「X」は、もちろんフォローしているのですが
そこで出演する作品紹介を見て

それならこれに行こうかと。

パンフレットを見てもらったら解ると思うのですが、

出演者全員が、マジンガーZを歌う水木一郎さんのような赤いマフラーに
題名に「サイクロン」

これは仮面ライダーに違いない!

仮面ライダー1号ライダーからのファンにとっては面白そう。

と、この程度だったはず。

始まりもやはり
ショッカーの怪人に襲われる女性
そこにあらわれる仮面ライダー!

ショッカーとライダーの格闘シーン。
笑いもたくさん入って


なのに•••

田舎に住んでいた葉山明子(是常祐美)
母憲子(是常さん二役)
が亡くなる前に、本田真弓(谷野まりえ)の父親本田真(早川丈二)さんはヒーローの様な人で、おかげで生きてこられた、との言葉を遺したと•••

しかし、明子にとって真はそんなヒーローと呼ばれる様な父親ではなかった。

父親の幼馴染みの料理やを営む河崎ナミ(小川十紀子)が、

過去に真弓の父に同じく助けられた鈴木加奈(鄭梨花)からの手紙とともに


真実をあかしていく。

そして、真弓にとっても真はヒーローであったことに気付かされる。


なんやコレは!

笑っていたはずなのに、

途中からはもうウルウルして

あかんあかん!

ナンボ年取って来て涙腺弱くなったゆうても。

この感情は観客の多数の方の目を見ても自分だけではなかったと確信出来る。

観劇の後、会場の前では出演者さんが。

でも、誰と話しても涙しそうでコッソリと帰ってきました。



早着替えで少し間延びした所があったのは残念でしてが、凄く役者さんの対話、会話の間が良い。

以前の時もそうでしたが、早川さんは新喜劇で出てきそうなくらい、小川さんは濱田マリさんのような演技力。
谷野まりえさんは、ただ表情を見ているだけでも訴えてくるような。

是常さんは陽があっての陰と。その使い分けも良かった。

本の内容も含め全てが、ズシッと胸に刺さってきました。



40人くらいの観客が向かいあわせで観るお芝居。

「あんたのお父さんはヒーローやったんやで」貴方に送る「風の物語」 これは父から娘へ。そして過去から未来へ、繋がる想い。 娘の葛藤。そして娘は真実を探しにいく。 父が話さなかった真実とは。父の想い。 というより話さない方がいいと思ったのだ。 父は娘には真実を話すことができなかった。そう、娘の記憶の中にはそんな父の姿はないのだ。 娘はずっとこの言葉が
貴方に送る「風の物語」 これは父から娘へ。そして過去から未来へ、繋がる想い。 娘の葛藤。そして娘は真実を探しにいく。 父

一人の親としての生き方、
親世代の人には是非とも見て欲しいと思える素晴らしい作品でした。