あらすじ

2124年。


火星を居住可能な星にすべく、月は火星へと向かう宇宙船や資材の開発・量産を行うための工業地帯と化していた。 月が大都市となることを期待し、地球からの移設を敢行した「あなたの町の町工場」 鶴屋工務店は、 宇宙規模の発展を願い「あなたの月の町工場」になるべく、

その名を【カランコロン(カランはオランダ語で鶴。コロンはフランス語で植民者そして入植者。)】に改名し、 月への観光ブームに乗っかるべくゲストハウスを併設するもブームはすっかり下火となってしまい、月面の過疎化が進行。 【カランコロン】で働く面々は、当てが外れるわおまけに大手ゼネコンに仕事を奪われるわで散々な日々を送っていた。

それでもだいたい2年に1ヶ月間だけは、月にたくさん人がやって来る。

火星が地球圏に接近するからである。

その繁盛期に備えるべく住み込みのアルバイトを雇いそして起死回生の計画も進めるも、 事態はめくるめく変化、発展、インフレーション!

綿密に綴られた宇宙世界で逞しく(けっこう雑に)生活する人々を描いた、 どこか懐かしい景色を星々に望むよい子のための娛樂演劇。






インディペンデントシアター2ndでの公演。

何やら今回は、受付の2階で今回の公演にあたっての展示をしているということで

それを楽しみに少し早くに到着。

13時からの公演で12時に到着したら12時15分会場でした、ははは。

そこで先に並んでいた方と一時の談笑。

ヨネマリさんが出ていないのは残念。
勝山さんの脚本のはいつも誰か亡くなるよね?とか
戦争が絡んでいる内容が多いのでしかたないのかな。
年間何本くらい舞台鑑賞しているとか
彗星の舞台はいつくらいから観ているとか•••
他にどんな舞台を観るのかとか•••

そんな話をしていたら、あっという間の受付時間となりました。


向って右のが宇宙服のヘルメット部分、今回のチラシにも使われてたやつね。

登場人物の紹介と、短期アルバイトに応募してきた大学生の履歴書。
本日ネタバラシがありましたが、登場人物の名前は宇宙の話ということで、星の名前なんですって。

天道【太陽】
長庚【金星。夕星/長庚、ゆうづつ】
熒【火星。熒惑、あかりほし】
鎮【土星。鎮星。ちんせい】
辰【水星。辰星、たなみほし】
歳【木星。歳星、としのほし】
トリトン【海王星。外宇宙からやってきた星】
カナン【月。神無月、かんな】
聖【天王星。てんのう。天皇?】
源【オリオン座のリゲル。源氏星】
平【オリオン座のベテルギウス。平家星】




こんなものまで作るとは、なかなか凝ってます。


温泉のタオルと缶バッチ。そして、観劇後にまだ残っていたら買おうと決心していたTシャツも購入いたしました。




で、感想。

まず、一番感動したのが照明。
彗星マジックの舞台は、ほとんど余計な大道具的なモノはなく、表現力だけで舞台を魅せる話がほとんどなのですが
今回の作品はいつもにも増して、モノが実際にはあるわけではないのですが、照明を使うことによって
ひとつの場面場面が頭の中でしっかりと想像して観ることが出来ました。
地球から月に向かう軌道エレベーターや月の温泉キレイでした。

逆に真っ暗な中での声だけの演技、そこから薄暗い感じになり‥、なんて演出も良かったですね。

パントマイムも効果的でしたね。



益田杏花ちゃんの明るくて元気な役、良かったですねぇ、前の席に座っていた女性の方と笑うツボが同じなのか、そんな雰囲気もあってなのか、多くの場面で笑いながら観ることができました。

小沼桂大くん、普段の喋り方からは想像できない。演技に入ったら変わるよねぇ。

森下愛梨ちゃん、今回はまだマイムに関しては和田雄太郎さんに引っ張られて感はあったけど、なんと言ってよいのか良かった(笑)

香菜海ちゃんももう少し個性が出てくれば、でも彼女も元気があって見てて気持ち良いよね。

けっこう彗星マジックのお芝居は見ておりますが、若いメンバーたち、興味深い(おもしろい)と思います。

ヨネマリ(米山真理)さんが出演していない(声の出演はしていました)今回の作品では  
彗星の中では最年長の池山ユラリちゃんも、演技としては難しかったかもと思いますが
ユラリ感を出しながら良かったと思います。

残念ながら、前説で勝山修平氏が言っておりましたが今回の作品は再演はないようです。
私はこういうの好きなんだけどなぁ、残念。

SFであり、いつもながらの歴史的な要素もあり、神やノアの方舟と地球の破滅
人として生きることなど、思想とか
深い考察をするともっといろいろと含まれていたんだと思いますが、
気楽に表面的な部分だけ見ているだけでも楽しく見ることが出来る楽しい作品でした。