妖都/津原泰水 | mokkoの現実逃避ブログ

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出版社:講談社 (2001/6/1)
発売日:2001/6/1
文 庫:407ページ
ISBN-13:978-4062731676

“死者”が東京に増殖し、街に自殺者が溢れ始めたのは、
CRISISのヴォーカリスト、チェシャが自殺してからのこと。
両性具有と噂された美しく妖しい彼が遺した歌「妖都」は、
ヒットチャートを上昇中。
“死者”が見える少女たちを取り巻く恐怖と加速する謎。
明らかになる巨大な真実。
世界をも震撼させる怪奇幻想小説の傑作。
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久しぶりの津原作品。

交通事故を目撃した高校生・周防馨は、霊が見える。
彼女は幽霊でもゾンビでもない「死者」が東京をさまよって
人びとを襲い、増えていることに気づく。

周防馨に偶然助けられた、死者が見える鞠谷雛子。

チェシャの自殺の後に殺されたCRISISのメンバー。
彼が初めて雛子を見て驚いた理由・・・
鞠子が実家で目にした昔の写真と秘密

遺体を突き破って生まれた黒いボルゾイ犬 
  黒いボルゾイ! これだけで、恐ろしいわ

普通と思われている事が、普通ではなくなっていく。
見える人たちだけが、異常を察知するものの、間に合わず
殺されて、異常の中に引きずり込まれていく。
少しずつ浸食される恐怖・・・
最後は混沌・・・? でも人は慣れるし受け入れる。
実に東京らしい。

読書メモφ(..)メモメモ

世田谷という土地は、幾何学的な都市計画とは対極の
葉脈か毛細血管を拡大したような道の繋がり。
まるでエッシャーの騙し絵だ。
 実際歩いてみて案内なしでは無理だと思いました。

マライ-ポリネシア神話のヒナ神。
月と冥界を司る。伊邪那美と同根の女神と言っていい。

ジタン 懐かしい・・・

ジタンフィルターのパッケージデザイン

底なしの泥濘に足をとられた水牛が命運を悟って
漏らすような弱弱しいくせによく響く声・・・
昔読んだ同著者の蘆屋家の崩壊の中の「水牛群」を連想した。