出版社:新潮社 (2006/9/7)
発売日:2006/9/7
文 庫:455ページ
ISBN-13:978-4101234175
高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。
それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、
北高の伝統行事だった。
学校生活の思い出や卒業後の夢などを語らいつつ、
親友たちと歩きながらも貴子だけは、
小さな賭けに胸を焦がしていた。
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「図書室の海」に収録されている「ピクニックの準備」を
先に読むことをお勧めします。
第二回「本屋大賞」受賞作
「みんなで夜歩く。ただそれだけのことが
どうしてこんなに特別なんだろう」
文中でも、こんな話が出てくるように、
高校生達が、ただひたすら歩くだけで、
何か事件が起こるわけではない。
確かに「それだけのこと」なのに、
いつもと違う時間を共有した者同士の内側では
確実に何かが変わっていく。
それは歩行祭を前にした時から、
誰と一緒に歩くか決める時から始まっているのだろう。
小さなエピソードの端々で、自分の記憶と
リンクしている部分を発見し、懐かしくて、切なくて、
それでもわくわくしながら一緒に歩いている気分になるのは
私だけではないと思う。
読了後の何ともいえない爽快感はたまりません。
リンク切れの補完
