出版社:PHP研究所
発売日:2019/3/10
文庫:256ページ
ISBN-13:978-4569768816
「誰かの大切な居場所は、守らなきゃいけないんだ」――
入院中の店主から桜風堂書店の店長になってほしいと
頼まれた月原一整は、迷いながらもそれを受け入れる。
そして彼が見つけた「宝もの」のような一冊を巡り、
彼の友人が、元同僚たちが、作家が、そして出版社営業が、
一緒になって奮闘し、ある奇跡を巻き起こしていく。
田舎町の書店で繰り広げられる、本を愛するすべての人に
読んでほしい温かい物語。
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桜風堂ものがたり 下巻
桜野町に到着し、入院中の桜風堂店主に対面して
店に泊まる許可をもらい、帰りがけに店主と幼馴染の
町長と会い、店にいる孫の話も聞き、ブロ友である
星のカケスからのメールで、銀河堂書店に出かけて、、
店長はじめ色々と「四月の魚(ポワゾンダブリル)」を
売るために動き出した事を知った。
ゲラを読んで大泣きした銀河堂店長、一整の辛すぎる
幼少時代、桜風堂で一整を出迎えてくれた店主の孫:透。
主が急に留守になった後の店を見た一整は咄嗟に動いた。
・・・桜野町に、書店員が戻って来た・・・
同時進行で銀河堂書店が入っている星野百貨店が
全面的に「四月の魚」の宣伝のため、広報が動く。
児童書担当の苑絵が描いた渾身の絵は周りを感動させ
書店員が、元アイドルが、営業が、そして一整の従兄で
作家でもある蓬野が、動き、語り、銀河堂副店長は、
元脚本家が作家デビューしたとツイート。
春の事件で店を去った書店員が売ろうとしてた本を
残った書店員たちが引き継いでいるという噂が流れ
そんな書店員の意志を継ごうと他の店の書店員たちも動いた。
一整の思いが伝播したのか、発売日からあっという間に
在庫が無くなり「四月の魚」がない!という書店員の怨嗟が
日本中に満ち、思いの連鎖はドミノのように続く。
もう、本当に感動の嵐で、鳥肌立ちっぱなし。
移動中に読む時は涙と鼻水対策を忘れずに。
本を愛するすべての人に読んでほしい物語です!
「百貨の魔法」の番外編は読んでいたのですが、改めて
星野百貨店のお話である本編を読んでみたくなりました。
2018年本屋大賞ノミネート作品
読書φ(・ェ・o)メモメモ
本だけが並ぶ、しんとした空間は、何の音もしない。
空気はういろうめいて、ひんやりと重たい。
外国文学担当の副店長、塚本保が顔をのぞかせた。
ふくろうのような賢者めいた見た目と表情で、にっこりと笑う。
知的だけれど目が笑っていない。心が読みづらい笑顔だった。
インナーチャイルドが泣いている。
ああ、本の匂いだ・・・
本の間に挟まってその生涯を終える、紙魚のように
あとがきより・・・
「傷だらけの店長」伊達雅彦 PARCO出版を読んで
表紙絵の店長さんが泣かない世界が来る妥当と考え続け
この物語を書いた気がする・・・とのこと