桜風堂ものがたり(上) /村山 早紀 | mokkoの現実逃避ブログ

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出版社:PHP研究所 (2019/3/10)
発売日:2019/3/10
文 庫:272ページ
ISBN-13:978-4569768809

書店に勤める青年、月原一整は、人づきあいは苦手だが、
埋もれていた名作を見つけ出して光を当てることが多く、
店長から「宝探しの月原」と呼ばれ、信頼されていた。
しかしある日、店内で万引きをした少年を一整が
追いかけたことが、思わぬ不幸な事態を招いてしまう。
そのことで傷心を抱えて旅に出た一整は、ネットで
親しくしていた、桜風堂という書店を営む老人を訪ねるため、
桜野町を訪ねるのだが……。
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桜風堂ものがたり 上巻

この物語の舞台も、風早の街のものがたり。


銀河堂書店に勤める文庫担当の月原一整。
万引き犯を追いかけた結果、ある事件に発展。
店と従業員を守るために、店を辞した。

宝探しの月原が売ろうとして準備を進めていたのに
その手で売ることが出来なかった本
彼が見出さなければ、誰もこの本の存在に気づかなかった
「四月の魚(ポワゾンダブリル)」

仕事を辞めた一整は、ブログで懇意にしている桜風堂を
訪ねてみようと、隣人から預かっているオウムを連れて
交通の便が悪すぎる風早の街外れに行くのだが、
店主は入院中、孫の透は小学生で本に詳しく、訳ありで、
猫のアリスは、一整が昔飼っていた猫を思い起こす。

一整が桜風堂を訪れていた時、銀河堂書店でも動きがあった。
一整をとりまく全ての人々が優しくて、読みながら
何度も涙が流れた。マスクしていてよかったぁ~
周りは汗を拭いていると思ったはず!

事情を知らずに自分だけの正義を振りかざして断罪する
第三者の正義の味方ごっこにウンザリしていた
けれど、そんな第三者をよそに一整の仕事仲間達は
それぞれで動いていた。これは泣けますって。

感動の涙は、自分でいうのもなんですが、
色んな凝り固まったものが流れ落ちていきます。
期待を込めて下巻を読みます。

読書φ(・ェ・o)メモメモ

オウムの名前は「船長」という。
『宝島』の海賊ジョン・シルバーのオウムの名前
フリント船長からとったのだろうか・・・

事情を知らずに、悪く言う見ず知らずの奴の事なんて、
気にしないで放っておけばいいんだよ。
正義の味方ごっこをして、楽しんでいるだけなんだから。
『たかが万引き』なんていう奴らは、常識も想像力もない
馬鹿なんだ。

そんな奴らの言葉に傷ついてやらなくてもいいの。

サン=テグジュペリ 夜間飛行

昔から言うように、恋はするものではない。落ちるものだ。
突然崖下に突き落とされるように、運命の宣告が訪れるから
今更、否定も抵抗もできやしない。

言葉を愛するものは、

言葉を綴らずにはいられない。

里帰りの人々が町に溢れる時期だけ、淡水魚が口に合わない
孫たちのために、スーパーに海魚が並ぶのだそうだ。