ヤマンタカ 大菩薩峠血風録(下)/夢枕獏 | mokkoの現実逃避ブログ

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出版社:KADOKAWA 
発売日:2020/1/23
文 庫:512ページ
ISBN-13:978-4041088173

ついに開かれた4年に1度の奉納試合で机竜之助や

宇津木文之丞ら、実力者たちが御岳の社に集った。
土方歳三は、自分の強さを見極めるため剣に賭け、
決死の勝負に挑む。激しく白刃を交える男たち。
彼らは善も悪もない、ヤマンタカ(閻魔大王をも殺す
最凶の明王)の世界を生きている――。
死闘の先にある、数奇な運命とは……。
そして、竜之助が使う「音無しの構え」の正体は? 
時を超え甦った『大菩薩峠』、ここに完結!
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夢枕獏版の大菩薩峠 下巻

4年に1度の奉納試合に向けて、色々と動きがあった。
机竜之助の音無しの構えと音無しの剣についての
考察も進んでいた。
竜之介が斬り合う場所に必ず現れる青い猿。
母親の自害の真実。そして・・・

土方が刀を手に入れたのは、試合の前日だった。
名刀:和泉守兼定(イズミノカミカネサダ)
手にするまでの経緯が書かれていて、更に刀の描写が
獏ちゃんならではの艶めいて水気を含んでいるのに
凄まじく美しく武骨。
読みながらゾクゾクしました。

試合に向かうまでのそれぞれの話の流れ。
そして奉納試合。
刀を交えた試合の描写と駆引きと読みあいに
集中し過ぎて体中に力が入って疲れました。

試合の結末と、その後の予想外の出来事に
主要登場人物達を総動員して斬り合わせ
更には、竜之介の体のことも含めての解決。
一気に脱力したって感じです。
よくもまぁ~うまくまとめてくださいました。

ちゃんとその後の新選組にも繋がるから、ありです。
これは大満足です。

読書メモφ(・ェ・o)メモメモ

「負けたら?」
「死にゃあ、いいじゃあねえか」
近藤は言った。
「死ね、歳よ」

「歳よ・・・」
「何だい」
「おれの我慢だがよ、おめえに預けとく」
「わかった」
歳三はうなずいていた。

痛みとは何か。
それは、人が、生命体がその命を長らえるための
機構である。痛みがその人の身体を守るのだ。

解説で、中里介山氏の大菩薩峠には、宮沢賢治も
詩を書いていて、紹介されていた。
これは知らなかったぁ~(〇o〇;)