わが家は幽世の貸本屋さん-無二の親子と永遠の約束-/忍丸 | mokkoの現実逃避ブログ

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発売日:2021/11/20
文 庫:320ページ
ISBN-13:978-4867162071

「もしも、俺になにかなりたいもんが見つかったら、そん時はよろしくな」

東雲は夏織の“父"になりたかった……。
夏織は東雲の“娘"になりたかった……。

幽世唯一の貸本屋を営むあやかしで付喪神の東雲と

人の子である夏織。
異種族の父娘(おやこ)に今、それぞれの決断の時が訪れる――。
笑いと涙と人情の、どこか優しい幽世の物語――堂々完結!
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シリーズ第5弾。完結編

「序 章」 運命の日に
「第一章」 養父の背中
「第二章」 薄玻璃の幸福
「閑 話」 真贋問答
「第三章」 永遠に語り継がれる物語
「最終章」 わが家は幽世の貸本屋さん

隠れ里に夏織と水明を伴って向かい、そこで貸本屋を引退して
執筆に集中するという東雲。

仕事に集中できない夏織の元を訪れたのは人魚の肉売り。
永遠に拘る肉売りだったが、まさかの背景に驚いた。

東雲が東雲になるまでの話が興味深かった。
名づけの親が、まさかの・・・

いやぁ~今回の小ネタは背景が興味深すぎて
気持ちも脳みそもいっぱいいっぱいですよ。
語り継がれる物語も、よかったぁ。

表紙絵の粋な演出にもグッときました。
なにより、最終章がよかった。


本当に良かったぁ~(T□T)
隙間を埋める短編集も楽しみです。

読書メモφ(・ェ・o)メモメモ

したーん! 勢いよく引き戸を開けた時の擬音語
これが分かり易くてちょっと感動

幽世から現世へ行くのにそう時間はかからない。
幽世に存在する地獄の中には日本全国各地へ繋がる
近道があるからだ。
普段は日帰りなのだが、隠れ里に行くにはそうもいかない。

摩崖仏(マガイブツ)とは、岸壁などに掘られた仏像
神仏習合の発症の地が国東半島

ライフイベント 人生において特別な出来事
後の人生に深く影響を与えるものが主だ。
進学、結婚、就職、死別、大病・・・
大小の違いはあれど、必ずぶち当たる不可避イベントだ。
逃げるとろくなことがない。

百万塔陀羅尼(ひゃくまんとうだらに)には、
歴史的価値があるから生き延びてきた。
 百万塔:奈良時代の女帝、称徳天皇の発願により製作された
 百万基の木製の三重小塔の総称。
 百万塔陀羅尼:小塔の中に納入された陀羅尼の総称である。

永遠に繋がる手法のひとつが印刷。
ルネサンスの三大発明のひとつ、グーテンベルクの
活版印刷を経て、印刷物に価値を付与する為の
美しさと大量に印刷する為の技術の精度。
 あぁ~グーテンベルク!本好きの下剋上でも出てましたぁ

東日流外三群誌(ツガルソトサングンシ)
青森県鰺ヶ沢沖にには超古代に滅んだ文明があった。
アラハバキという文明があり、津波で一夜にして滅んだ。
 これも関係のありそうな書籍を読んだわぁ~

唐糸御前・・・青森の事なのに知らなかったぁ~
       まぁ・・・津軽のことだからね。私は南部だし。

人魚の肉売りと浦島太郎が結びつくとは!
亀に化した海神の娘:亀比売(かめひめ)と出会い、玉手箱を
開けたばっかりに・・・
永遠が罰だとは・・・愛しい人を認識できないとは・・・

曲亭馬琴 南総里見八犬伝の著者
そうか・・・彼が東雲さんの・・・

山あり谷ありの決して平たんじゃない道
途中には必ずライフイベント(障害)が用意されている。
転びそうになったら誰かが支えてくれる
私も誰かを支えてあげる。それが人生だ。