わが家は幽世の貸本屋さん ―黒猫の親友と宝石の涙―/忍丸 | mokkoの現実逃避ブログ

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発売日:2020/6/20
文 庫:320ページ
ISBN-13:978-4867160220

ねえ、夏織。今は幸せ―?
夏織の幽世の始まりが明らかに-。

人でありながら幽世で貸本屋を営む夏織は、ある日、
隣家の鬼女・お豊が出産間近なことを知る。
その姿に「生みの親」への思慕の念を抱いた夏織は育ての親
・東雲との生活に不満を感じた自分に落ち込んでしまうが、
それを見かねた黒猫であやかしの“にゃあ"から
ある提案を受ける。「覚悟があるなら話してあげる。
現世であたしが知った、すべて」……

それは夏織も初めて知る、母・秋穂と“にゃあ" の、
ある約束の物語だった―!
怖いけどどこか憎めないあやかしたちを、
情感溢れる筆致で書き綴る感涙の最新刊! !
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シリーズ第3弾。

 

「序 章」 橄欖石の涙、黒猫の見る夢
「第一章」 神遊びの庭で
「第二章」 貸本屋の恋愛事情
「第三章」 幽世のメリークリスマス
「閑 話」 幸せの定義、幸せのありか
「幕 間」 狐面の男はひとり酔いしれる
「第四章」 安達ヶ原の母子
「終 章」 雪解けの日に

幼い頃に幽世に迷い込んだ夏織が、貸本屋を営む東雲や
薬屋のナナシや、優しいあやかし達に囲まれて
幽世と現世を行き来しながら色んな体験を通して成長していく。
そこには恋も含まれて・・・?

烏天狗の金目と銀目が可愛がっている双子の「うみ」と「そら」
めちゃんこ可愛いぃ~(〃▽〃)ポッ
文車妖妃と髪鬼の関係が楽し過ぎる(○ ̄m ̄)

水明の母親、お豊さんの母親、夏織の母親の事。
我が子を慈しむ母親たち。
血の繋がらずとも愛の深さは親と変わらない東雲やナナシ。

夏織の母親の事が明かされる本作。
黒猫にゃあから聞かされた真実が衝撃的過ぎました。
夏織の母親は、これ以上ないくらいに悲惨な状態で
恐ろしいくらいに天然で、夏織の母だと納得しました。
あやかし流の愛は、十二国記の折伏した妖魔と麒麟のようで
妖しくて切ないです。

読書メモφ(・ェ・o)メモメモ

橄欖石(カンラン石:オリビン) 磨いた宝石:ペリドット

橄欖(かんらん):東南アジア原産の常緑高木。
         見かけや利用方法がオリーブに似ている 


・・・・可愛いがすぎる・・・・!
 あ・・・わかるなぁ~(^◇^;)

「積ん読(つんどく)」とは・・・
所謂、買ってはみたものの読む時間がなく、ただただ
摘んで置いた本のことである。
 まさかここで解説されることになるとわぁ~

文車妖妃(ふぐるまようひ)・・・恋文のあやかし
 鳥山石燕「画図百器徒然袋」に描かれている妖
 想いが届かなかった恋文に宿った執着心が化けたもの

 恋愛物ほど、登場人物を理解できないと楽しめないもの

 本と読む時にに誰もが無意識にしているしているのは
 「登場人物に欲望を委ねること」

 物語に夢中になれるかどうか・・・それを決めるのは
 登場人物が自分の欲求を託すに値する人物かどうか。
 誰だってよくわからない相手に大切なものを預けたくない

 本選びは、自分と向き合う事ですよ
 人も本も一期一会だ

ぬらりひょん・・・
 あやかしの総大将。会う度に姿が変わる不思議なあやかし。

姑獲鳥(こかくちょう)
 ウバメドリとも呼ばれ、中国から伝来したと謂われる
 羽毛を着ると鳥になり、毛を脱ぐと女性の姿となる。
 鬼神の一種で人の命を奪い、子に害を為す。