お迎えに上がりました。 国土交通省国土政策局幽冥推進課(3)/竹林 七草 | mokkoの現実逃避ブログ

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発売日:2018/12/18
文 庫:288ページ
ISBN-13:978-4087458251

火車先輩消滅!?
正規職員を目指し、地縛霊を説得して回る夕霞だが、相棒の
火車先輩に最大のピンチが訪れ……。

健全な国土のため、地縛霊を説得して立ち退かせるのが
専門の幽冥推進課で、臨時職員として働く夕霞。
過疎の村に一人残る老人が抱える未練や、就活に失敗した
女子学生にとり憑いた恐ろしい死神など、難題が続く業務に
体当たりで取り組む夕霞だが、相棒の火車先輩が妖怪としての
力を失い、消滅の危機が迫って!? 
この国に暮らす人々が遺した想いを描く、笑えて泣ける
心霊お仕事コメディ第3弾!
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シリーズ第3弾

地縛霊と呼ばれる元国民様と交渉し、国土に縛られる原因を
解決、排除し、幽冥界へご案内することが
「国土交通省 国土政策局 幽冥推進課」の業務。
未だに臨時職員の夕霞は、今日も前へ前へと進みます。
そんな中、火車先輩の不穏な話が見え隠れして・・・

一章 いまも居間にいますからね
   過疎の村で、最後の一人になってまで居続ける高齢男性に
   会いに行った夕霞と火車先輩。
   そこで見てしまった事と、解決法は・・・
   
二章 死神と、火車先輩の遺言
   火車先輩の話を聞いた夕霞は、とある場所に向かい、偶然
   就活に失敗した女子学生の自殺を止めたのだが?
   
   ここでの死神は、死の無念が強すぎて他者を
   同じように死に至らしめる地縛霊の成れの果て

三章 火車先輩のためのお葬式
   火車先輩からの遺書と受け取れる雇用契約書。
   それに対して、夕霞が出した条件とは?
   そして、その発想が・・・
 
幕間 辻神課長と火車先輩の会話と不安要因

火車先輩の事が気になって、前の巻を読んだ後に
ちょっとズルをしました。
大人買いをしていたので、慌てて全巻のカバーイラストを
確認してしまった(^◇^;)

更に、ここでは死神が、似たような心境の人を呼び集めて
自殺者を増やすという設定ですが、個人的な経験では
自殺させられた人もそこから抜け出せなくなるらしく
更に増え続け、悪意の塊となって自殺の名所が作られます。

今では鈍くなってしまいましたが、恐ろしい場所ですよ。

今回の読書メモφ(・ェ・o)メモメモ

うまく波長さえ合えば、地縛霊でも電気機器を操作
出来る可能性はあるのだ。
幽霊が電話を使ってメッセージを送ってくるなんてのは
黒電話の頃からの怪談だ
 
確かに地縛霊となってしまわれた元国民様方も虚ろな
存在ではあります。
でもその虚ろの有り様が、地縛霊と妖怪ではまるで違う。
地縛霊とは、人間が人生の終焉で行きついた一つの終着点。
妖怪とは、人の文化が作り出した概念、という存在。

大本山 増上寺 芝増上寺とアダ名されている大きなお寺
 ここ知ってる!っていうかリアルでこの前を通ってた。
 社会人1年生のプリンスにいた時と、東京に来てからの
 派遣先が、すぐ近くだったぁ~
 リアル過ぎて背景の公園とか、すぐにわかったぁ

袖摺り合うも、退社の縁・・・
倒産によっての強制的解雇だったわけですが。

「最低な人間であるあなたたちに、自分たちがどれほど
 非道い仕打ちを私にしたのか思い知らせてあげます」

本来であれば、極楽往生には阿弥陀如来が迎えに来るべき
はずの増上寺において、かつてのワシは三代目住職である
音誉上人(オンヨショウニン)を火の車で迎えに来てしまった事がある。

怪異・妖怪伝承データベースに載ってたぁ

 

人の話などまるで聞く耳を持たない。言葉が全く通じないし
少しも想いが届かない。
凝り固まった彼女の心には、他人の声を聞き入れるだけの
隙間なんて微塵もない。
自分の意見以外は否定することしか出来ない。

「生きているだけで楽しい事なんてどこにもありはしない。
 人は苦しいばかりの中でもがくことでしか、
 生きていけないんだよ」


辛いから死にたい、殺したいと叫んでいる地縛霊に
苦しい人生がまた味わえるからいつか生きるために
戻ってこい。
これが夕霞の人生観。


素寒貧(すかんぴん) 漢字で書くと面白いですねぇ