発売日:2015/9/15
文 庫:304ページ
ISBN-13:978-4062932097
地獄堂のおやじから、それぞれの呪札と呪文を授かった
てつし、椎名、リョーチン。
三人はてつしの兄・竜也のクラスに転校してきた
可憐な少女・由宇と出会う。
養親と暮らす記憶喪失の彼女は、蒼龍と名乗る
黒衣の男に狙われていた。
どうやらおやじと蒼龍は知り合いのようで……。
切ない想いが交差するシリーズ第二弾!
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シリーズ第2弾
香月作品は数作品読んでいるのですが、いつ読んでも
安心と思っていたのですが、著者がお亡くなりになっていて
今更ですが掘り起こして読んでみようと思いました。
ひょんな事から、地獄堂に出入りするようになった三人悪は
おやじから教えられる本格的な「呪」によって
三人それぞれが心に持つ勇気や優しさや知恵を活かした
呪札と呪文で、怪異に立ち向かっていくことになった。
第一話 幽霊屋敷 その1
上院小学校の保健室女医は、実家の改築の為
別の家に仮住まいしてるのだが、そこで怪異が?
話を聞いた三人悪が調査に向かう。
第二話 幽霊屋敷 その2
お化け屋敷に越してきた母子。
子供の方は椎名の同級生で、父親が懲りずに続ける
借金のせいで離婚していた。
異常に金に執着していた和子は・・・
第三話 あの夢の果てまで
竜也兄に紹介されたのは、所々記憶を失っている由宇。
三人悪も、由宇姉ちゃんと呼ぶくらいに懐いていたが
突如現れた蒼龍(ソウリュウ)は由宇を狙っていて?
今回は、どの話も切ない話ばかりで胸が苦しかった。
三人悪それぞれの個性と感じ方と正義感と優しさが
存分に発揮されていた。
そのまっすぐな純粋さは、自分が成長するにつれ忘れていた
大切なものだったりする。
だから、子供向けといいながらも、心に響く。
大人だからと、見ないフリをしてきたことを
当然な事だと再確認させてくれる。
だから香月氏の作品は好きです。
怪異も好きですけどね(^◇^;)
読書メモ・・・
差別をする権利など、世界中の誰一人持ってはいない。
なのに人間は、その権利を振り回す。
一体いつになったら、人間はこんな空しい事を
やめるのだろう・・・