出版社:早川書房
発売日:2019/6/6
文庫:408ページ
ISBN-13:978-4150313791
「人間創りに参加してほしい。不気味の谷を越えたい」
ヒキコモリ支援センター代表のカウンセラーJJは、
パセリ、セージ、ローズマリー、タイムという、
年齢性別さまざまな4人の引きこもりを連携させ、
あるプロジェクトを始動する。
疑心に駆られながらも外界と関わろうとする4人だったが、
プロジェクトは予想もしない展開を見せる。
果たしてJJの目的は金か、悪意か、それとも?
現代最高の小説家による新たな傑作。
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早川書房の文庫本は、普通の文庫本と高さが違うから
ブックカバーもハヤカワ用を使わないといけない。
ちょっと面倒(^◇^;)
幽明志怪シリーズやたまさか人形堂シリーズ等で
幻想系の作家さんのイメージだったのですが
これは普通に引きこもり達に才能を見出した
カウンセラーJJが、4名を連携させて
ハッタリ同然のプロジェクトを始動させる。
一見、普通の小説のように見せておきながら
実は電脳の世界での、個々のイメージを飛躍させ
どうやって繋げるか。
ヒッキー達のアイデアの移り具合とかが
それぞれ違っていて、その中には突然降ってわいた
出会いなんかで起こった化学反応的な変化もあって
イメージだけなら、ある意味幻想的ですらある。
イラストを見ている訳じゃないのに見えるって
自分でスゴイと思ってしまった(^◇^;)
ヒッキーだけど、実は個々にすごい才能があって
それをどう進化させるか。
どこまで想像を広げられるか。
疑心暗鬼に囚われたり、偶然巻き込まれたり
予想外の影響が出たりとハラハラするものの
その過程で見えて来るものもあって
結局読まされてしまった。
最後は、どう解釈するかなんでしょうけれど
ちょっと寂しかったかなぁ・・・
電脳の世界を妄想するのは、結構脳みそが
疲労します(;^_^A
それでも、やはり津原作品は面白い。
ただ、やっぱり幻想系が一番好きです。