発売日:2022/11/22
文 庫:320ページ
ISBN-13:978-4041126011
全てを失った女性刑事が奮闘する新シリーズ第1弾!
被疑者を勾留中に自死させたことで県警捜査一課を追われ、
家庭にも居場所を失った刑事・木下清花。
異動先の「警察庁特捜地域潜入班」は、組織の
はみ出し者が集められた新設部署だった。
最初に捜査対象となったのは栃木の村落で発生した
「児童連続神隠し事件」。
その地では古くから、子供をさらう「ヤマヒト様」伝承が
存在しており……。
清花たちは事件の真相を追い、村落への潜入捜査を開始する!
新ヒロインの警察小説、第1弾。
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シリーズ第1弾
前作「東京駅おもてうら交番 堀北恵平」のあとがきで
書かれていたのは、「おもてうら」では、過去と現在、
未来に渡って、変わるものと変わらぬもの、
変わるべきものと変わってはいけないものを書いた・・・と。
そして、新しいシリーズは、人を救う物語
各地へ飛んで幅広い事件を解決する人の話を書く
と書かれていました。
「おもてうら」の最終話に衝撃を受け過ぎて
しばらく引きずっていたので、ワンクッション置いてから
新シリーズである本作を読んでみた。
前作のヒロイン:堀北恵平が新人で頑張り屋さんで、
愛されキャラだったけれど、今回のヒロイン?は、
男社会の代表格でもある県警捜査一課の刑事で、
しかも班長を任されている木下清花。
バリバリじゃないのぉ~
っていうか、苗字が違うなぁ~。
そうか・・・いずれそうなるって事だね。
しかも家庭もあり、子供もいて、お義母さんと同居。
家族に申し訳ないと思いながらも、女であることに
甘えたくなかったし、子供がいることに負い目を
感じたくなかったし、それが責任感だと思っていた。
そして卑劣な犯人に対する怒りが強すぎて、
色々と頑張り過ぎた結果、自分自身が居場所を失った。
そして新設された警察庁特捜地域潜入班への
配属を了承する。
最初は恵平とのギャップが苦しかったぁ~_| ̄|○
それ以上に驚いたのが、捜査方法。
清花が今まで培ってきた経験は全て使えない。
「あなたね。何しに来てるか考えないとね」
ことごとく、やんわりと否定される。
この捜査方法に、清花と一緒になって頭を抱える。
海外ドラマで見るような潜入捜査を連想していたのが、
別物でした。しかも街中ではなく山の中!
キャンプ場から、ひとりの少女が忽然と消えた。
過去に遡って調べてみると、同じ場所で何人もの
子どもが姿を消していた。
最初の捜査対象が、栃木の村落で発生した
児童連続神隠し事件だった。
潜入を続けて見えてきたのは、その村に古くから
伝承されている子供をさらう「ヤマヒト様」
更に、行方不明になった子供が生きていたり
成長して結婚したりしていた?
ヤマヒト様とは?村との関係とは?
そして、清花の今後は・・・?
読み始めこそ、堀北恵平と比べて辛かったけど
捜査方法がまるで違って、更にこの組織が
問題のある人達の寄せ集めで、隠された個々の
「素」が見えた時は、ちょっと感動。
そのおかげで、シリーズへの楽しみが出来ました。
困ったなぁ~。この著者のシリーズを抱えすぎです。
っていうか、書くペースが早過ぎです!!嬉しいけど。
さて、今回も細かい気づきと蘊蓄が楽しかったです。
虫よけスプレーは、蜂には効果がない
( ゚ ▽ ゚ ;)エッ!!知らなかったぁ
山の中にいて、街中のことを「下界」と呼ぶのは
普通の事だったのねぇ~
十和田湖畔で寮生活してる時、下界に買い物に行くって
普通に言ってたんですよね(^◇^;)
お地蔵さんは道祖神の意味合いで境界線上に
置かれることが多い。
例えば村の入口とか山の境界、ご神域の境界。
死んだ被疑者を憎もうが何をしようが相手は驚かない。
それなのに嫌な気持ちになるのは勿体ない。
相手のいない土俵で勝手に相撲をとっているようなもの
文句を言うだけでは何も変えることはできない。
次はいつ出るかなぁ~((o(´∀`)o))ワクワク