DOUBT 東京駅おもてうら交番・堀北恵平/内藤了 | mokkoの現実逃避ブログ

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発売日:2021/3/24
文  庫:304ページ
ISBN-13:978-4041108413

新人女性警察官・恵平は、最後の研修のため警察学校へ。
このまま卒業して一人前にやっていけるのか、焦る恵平。
一方、青年刑事の平野は、清掃工場のゴミ集積プールで
複数の遺体を発見する。
人間をゴミ同然に捨てて快感を得るシリアルキラーの
犯行か、それとも――。
事件を知った恵平は解決のヒントを求めて「うら交番」へ。
待っていたのは、もう会えるはずのない人だった。
過去と現在が繋がり、物語は加速する! 
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シリーズ第5弾。

プロローグでは、昭和と現在の描写が短いながらも
残酷でグロくてリアルに淡々と語られる。

本編では、恵平は、最後の研修のため府中の警察学校へ。
休日に、東京駅に戻った時、感染症禍の中、ホームレスが
消えていると、メリーさんとペイさんが教えてくれた。

同じ頃、平野は、清掃工場で複数の遺体を発見する。
清掃車を見かけるたびに、ギョッ(〇o〇;)とする。
地味にダメージを喰らってます。

ホームレスの徳さんから聞いた消えた仲間の違和感
発見された遺体の状態と年齢。嫌な予感がする。
研修中でありながらも、平野に連絡を取り、
DNA採取が可能ということで、桃田も動く

そんな中、再びうら交番に呼ばれた恵平。
柏村と一緒にいたのは・・・まさかの!

そして、現実では、またもホームレスが消えた。
恵平がよく知っているからこそ、その異常な状態に
連れ去られたと確信した。

久しぶりに、早く!早く!!って心がジタバタしました。
スピーディーに捜査が進んだのは研修中の恵平のお手柄。
こういう時に組織って凄いなぁ~って思いました。

そして、警察学校卒業の式典前に呼び出された恵平。
ここら辺のエピソードは泣けました。


今回の納得色々。

価値観の押しつけは間違っていると思うから
せめて理解せずに判断を下さぬ自分でいたい。
決める前に相手の気持ちを知る努力をしたい。
こういう恵平の考え方が好き。

清々しいほどに真っ直ぐな思いと、グロ過ぎる犯行。
この落差が大きすぎて、だから目が離せない。
そういえば、比奈子の時もそうでしたね。

ホームレス仲間が残した荷物の中の2冊の文庫本
「アルジャーノンに花束を」「かもめのジョナサン」
どちらの主人公達も、自分以外の自分になることを
模索し続けたという作品。
なんか切なくて、泣けた。

 

 

社会的弱者を根絶できると犯人が思っている訳がない。
どんな言葉とすり替えても、根底にあるのは
人を殺してみたいという欲望と歪んで独善的な正義感。

ネットで見つけた高収入のアルバイトに何の疑問も
持たなかったのか?

だって、こんなご時世っしょ。直接人と会わないし
金にはマジで困ってんだし・・・

これって、今、巷で騒がれている強盗殺人と同じだよね
裏の仕組みがあったとはいえ、自分が苦しいから
力の弱そうな人を複数人で手っ取り早く殺して金を盗む。
しょうがないじゃんって自分を正当化するんだ。
自分の親は大切だけど、他人の親は知ったこっちゃない?

どんなに言い訳を重ねても、ただ自分を守るためだけの
卑劣な犯罪で、まるで、この小説の・・・みたいだ。
おっと、ネタバレになるかも。
昔も今も、そういう歪んでる輩はいるんだなぁ~

こういう輩は表面だけは取り繕うのよね
前作で書かれていた通り
 人間の仮面の下に棲まわせていた鬼の本性を
 見破られる事の恥ずかしさ
 罪を悔いたのではなく、本性を知られた事を恥じた

裏でどんなに卑劣な事をやっていても、身近な人には
いい人だと思われたいんだなぁ

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