スマイル・ハンター 憑依作家 雨宮縁/内藤了 | mokkoの現実逃避ブログ

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発売日:2020/3/13
文 庫:314ページ
ISBN-13:978-4396346096

人気推理作家・雨宮縁。
執筆時、作品ごとに主人公に成りきる姿は多重人格さながらで、
憑依作家と呼ばれていた。
寿退社をした恩人の夫の自殺に不審を覚えた雨宮は、
担当編集者らを使い、真相を調べ始める。
すると、幸せの絶頂から不幸のどん底へ突き落とされた
被害者が続々と浮上、雨宮は犯人を炙り出すため、
周到な罠を仕掛け…。
狂気を裁く新クライム・ミステリー誕生!
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シリーズ第一弾。

内藤氏のシリーズを全部読んでやろうと思いまして
自分的に初のシリーズです。

憑依っていうから、てっきりアッチ系かと思ったら
自分の執筆しているシリーズの主人公に
なりきるという、オタク的な事だったのですが
これまた本格的すぎて、逆に呆れました(^◇^;)

主人公は、タイトル通りの人気推理作家・雨宮縁(えにし)。
メインキャラは、出版社「黄金社」の装丁部から
フリーになった蒲田。現在はカメラマンとしても活躍。
黄金社のノンフィクション部門担当の名物編集者の真壁。
真壁は、独立した蒲田に時々仕事を依頼している。
本作は、蒲田目線で進んでいきます。

相変わらず読みやすい。
シリーズ第一弾だから、背景と登場人物説明があって
蒲田が装丁の素材探しの撮影で、偶然撮ったステキな
家族写真を投稿サイトにアップしようとしたところ
似たようなショットを投稿してる人がいた。
しかも自分よりも上手い。

たぶん近くにいたんだと思ったのだが、その家族には
ある特徴が・・・
更に、黄金社を寿退社した元同僚の幸せそうな写真までが
アップされていた。
もしかしたら、出版社の関係者なのか・・・?

蒲田が偶然遭遇した電車事故の被害者。
夫の自殺に疑問を持っていた元同僚。
そして写真投稿サイトに集められた笑顔の写真
雨宮縁は、あふれる笑顔の投稿写真たちから
とある共通点を発見するのだが・・・

この著者の作品は読みやすい上に、結構のめり込む。
が、本作は物語目線の蒲田が、調査に否定的というか
作家先生を心理的に疑っていたので、話がスムーズに
流れず、自問自答でグルグルしてるのが、逆に
ヒヤヒヤしたけど、盛り上がりには欠けたかな?
雨宮縁の出番が少なすぎたからかな?

ただ、プロローグとエピローグが既に別の物語として
成立しているような気がして、怖いわぁ~


今回の印象的に残った部分

自殺はある意味大罪だ。
彼女は愛する夫に夫を殺されてしまったわけだから。

喪った(うしなった)者と奪ったものが
同一人物だからだ。

自殺は家族に被害者と加害者の両方を生む。
彼女は被害者の妻で、加害者の妻だ。むごすぎる。