発売日:2017/6/22
文 庫:328ページ
ISBN-13:978-4122064119
四宮大学にアメリカから留学生が来ることになった。
彼女は十六歳で大学に入った化学の天才エリー。
沖野の研究室で天然素材「トーリタキセルA」の全合成に
挑むことになるが、天才コンビ沖野&エリーにしても
最終段階で合成に失敗してしまう。
原因を調べていくと、大学内でのきな臭い事情が
絡んでいることが見えてきて?
シリーズ初の長編登場。
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シリーズ第六弾。
初の長編。
探偵役は沖野春彦准教授だけど、主役は天才エリーと
エリーに化学を教えた学生。
庶務課の七瀬舞衣が、留学生受入れ担当として
飛び級で大学に入った天才エリーの面倒を見る事になった。
そしてエリーの研究担当になるのが沖野春彦准教授
初っ端からすれ違いと方向音痴の特性によって
舞衣と沖野を大慌てさせたエリー
極度の人間嫌いとアメリカの南部訛りが激しいので
会話はアプリの自動翻訳で行われ、エリーは
目も合わせてくれない (;´_`)トホホ
早速、実験にとりかかり、天才性を見せつけるエリー
しかし、言葉では言い表せない違和感を口にしていて
それでも実験の段階は進んでいき・・・
好奇心旺盛の舞衣は、個別にエリーに有機化学を
教えた学生を探すため、沖野に相談したところ、
その学生を覚えていたのだが・・・
舞衣が人探しをしているという噂が学内を駆け巡り
舞衣に助けられた人たちが繋がり、手を差し伸べる
舞衣よ!あなたの旺盛な好奇心は無駄ではなかった!
ちょっと感動しました(^◇^;)
人探しに協力する人達と、妨害しようとする人達
学生が研究に励んでいた時の担当教授
色んな人が複雑に絡み合っている(,,-_-)
そして、エリーが挑んだ実験は失敗したのだが
そこに隠されていたのは、きな臭い事情とイジメ?
いつになく緊張感漂う進行にドキドキしましたよぉ
そして、一連の流とは別に、東理大学の氷川教授が
沖野を大学に戻すことを諦めない。
沖野が戻らない理由は舞衣が原因だと決めつけている。
その氷川からの問いに答えられないでいた沖野だが
そのヒントをくれたのが舞衣であった。
「君は俺の事を『ギフテッド』だと思うか?」
「そりゃそうですよ」
「なぜ、そう思う」
「理系の人は、難しい研究をしているじゃないですか
沖野先生は・・・」
舞衣の飾らないストレートな言葉に、目から鱗が落ちた
緊張の中にあって、ちょっとときめいた瞬間でした。
そして、本筋の事件解決もカッコ良かったぁ~
まぁ~強力な協力者のおせっかいっていうのもあるけど
沖野先生は科学者として愛されてますねぇ~
今回も、大いに楽しませていただきました。
面白かったぁ~о(ж>▽<)y ☆
今回のツボ
迷子になる人の特徴は、方向感覚の鈍さと無謀な行動力にある。
「きっとこっちだ」と強く思い込んで移動を続けるからこそ
現在地すら分からないほど遠くへ行ってしまう・・・
あいたたた・・・(>_<)
この強い思い込み!わかってるのよ。だから迷うって。
でも、迷ってる時は、ちょっぴりの不安と勇気ある行動で
余計に迷ってしまう。いつも本当に申し訳なく思ってます。
そして迷ったエリーを見つける事になったのが
なんと「アンパンマン」の主題歌
アメリカでエリーの父が、とても深い意味のある歌だと
教えてくれたらしい。
確かに子供向けの歌なのに、生きる意味を問いかけてる。
さすがアンパンマン!っていうか超タイムリー
ブログネタでこの記事を書いた時に、本作を読んでました。
「何の為に生まれて、何をして生きるのか、
答えられないなんてそんなのは嫌だ」