人形たちの白昼夢/千早 茜 | mokkoの現実逃避ブログ

mokkoの現実逃避ブログ

現実から目を背けて堂々と楽しむ自己満足ブログ

 

発売日:2020/6/19
文 庫:232ページ
ISBN-13:978-4087441277

嘘をつけない男と嘘しか口にしない女が出会った時、
物語は動き出す。
『魚神』『男ともだち』の著者が贈る、リアルと幻想が
溶けあうような12のショートストーリー。

声が出なくなってしまった私は、見知らぬ相手からの
招待状に誘われ、レストランを訪れる。
給仕人にうながされ料理を口にすると、さまざまな情景が
浮かんできて――。(「スヴニール」)
荒廃した世界。空爆から身を潜め、不思議な「声」に導かれて
目を開けると、自動機械人形(オート・ドール)が現れた。
豪奢で美しい、暗殺用の人形に連れられて
向かった先には――。(「リューズ」)
----------------------------
12のショートストーリー

「コットンパール」
 嘘をつけない男と嘘しか口にしない女のショートショート

 「本物の真珠ではないのだろう」
 「コットンパールという本物よ」
 知らなかったので調べたら、ありました。
 その名の通り、綿真珠 
 でも、この話のコットンとは・・・あぁ~アレかぁ~


「プッタネスカ」
 捨てられて緋色の女に拾われた子供は、やがて・・・

 あの有名な実話を別の角度から見たような話?
 切り裂き・・・を連想して、改めてスゴイと思った

「スヴニール」
 見知らぬ人からの招待状で、レストランを訪れると・・・

 料理と味付けから甦ったのは・・・
 香りもそうだけど、味も記憶と強烈に結びついている。

「リューズ」
 空爆から身を潜め、声に導かれて目を開けると・・・

 時期がよかったのか悪かったのか
 彼の国の状況がまざまざと目に浮かんで苦しかった。

「ビースト」「モノクローム」

「アイズ」
 「青い糸はなに?」「人でなしの証なんだって」

 まるでナルキッソスの神話のようだ。

「ワンフォーミー・ワンフォーユー」
 あなたが唱える呪文・・・
 「ひと匙はわたしに ひと匙はあなたに」

 大切にされたティーポット

付喪神となった切ない思い

「マンダリン」「ロゼット」

「モンデンキント」
 小学校の時、好きな本の話題で盛り上がった
 隣の席の男の子
 あかがね色の本 二匹の蛇が描かれていて
 
 幼すぎて拒絶した彼女へ、残された思いの伝え方
 これは泣けた・・・
 見つけたことを彼に知って欲しい。

 


「ブラックドレス」

現実と幻想の狭間。
その入口には、青いリボンが覗いている。
気付いた人だけが入る事を許される12の世界。

やはり心のヒダに引っかかります。