夏が僕を抱く/豊島ミホ | mokkoの現実逃避ブログ

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発売日 : 2012/7/25
文 庫 : 272ページ

ミーちゃんに再会したのは、夕立に降られて駆け込んだ
渋谷のレコ屋の入口だった。
昔一緒に田舎で虫を補ったり木に登ったりしていた
ミーちゃんは俄然大人になっていて、俺は彼女に
夢中になった。しかし…。あんなに近くにいたのに、
いつの間にか離れてしまった幼なじみ。
それぞれの思い出の中にある、大事な時間と相手。
せつない記憶を描く傑作短編集。
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初めましての作家さん。
6編の短編集です。

「変身少女」
昔あんなに仲良しだった毬男が、突然、不良っぽくなり、
しかも周りには、似たような雰囲気の女どもが・・・
そこには自分がいるはずなのに!と思って
不良になると宣言するも・・・

不良っぽい恰好をすれば、毬男の隣にいられると思って
色々トライするけれど、うまくいかない。
髪の色も、スカート丈も失敗ばかり。
スカートはお母さんグッジョブでした(`・ω・´)b
暴走しそうだったけれど、毬男が言っていた
自分の定位置を耳にして安心できたのかな?

首をキュっと前に出してやわらかくみえる
鎖骨から耳にかけてのライン
ああぁ~(〃▽〃)ポッ 鎖骨フェチにはたまらない描写!

「らくだとモノレール」
いるかとらくだの幼馴染から始まって、友達以上でも
同じ空間を部分的に共有するダラダラな関係だったのが
突然、予備校に通うと言い出したらくだ。
離れて行こうとするらくだに・・・

高校に入って、異性に対するつまらない
照れくささのようなものが抜けると・・・
なんか、この描写がすごくわかる。

「あさなぎ」
園子が小学3年の時、6年の姉と研吾君のキスを見た。
大人になって姉はセレブと結婚して、園子は
姉とキスをした研吾君とのお見合いを決めた。
姉夫婦と、研吾君と私で食事をすることになり・・・

園子も研吾君も、似たような喪失感を持っていて
年上の研吾君の気持ちが分かってしまう園子
最後の描写がなんだか絵になっていいなぁ~

「遠回りもまだ途中」
将ちんにラブな有里は、ヒゲデブメガネの岬の家に
上がり込んで、グダを撒く。
受験生で浪人生の岬は文句を言いながらも追い出さない。
カッコいい将ちんは、本当は嫌な奴で・・・

クリスマスは、恋人いる組といない組で分かれて
過ごすっていうのは、昔から変わらないんだろうけど
若いから、性欲処理の安全牌が欲しいっていうのが
なんというか、とあるバンドマンが言っていた
体の膿を出さないとっていうセリフを思い出して
ダメだったぁ・・・
まぁ~ヒゲデブメガネと有里の関係は幼馴染の
恋らしくてよかった。

「夏が僕を抱く」表題作
小学校の時に遊んだ青森の従妹のみーちゃんと
偶然の再会を果たしたハネ。
そんなハネは、カッコつけでバンドをやっていて
みーちゃんは、なにやら訳ありで・・・

「かじてつ」って言葉を初めて知った(^◇^;)
何でも略すとは言え、なるほど(○ ̄m ̄)
ただなぁ~・・・やはり今どきの若者の恋愛が
わからん!残酷過ぎて無理だわぁ・・・

「ストロベリー・ホープ」
イチゴの選別をしながら、井戸端会議のような職場。
高校卒業後、東京の大学に入った幼馴染の護。
護が帰ってきたという話を聞いて、会いに行った十和。
物凄い勢いで護のクセやら行動を思い出していく。

まるでイチゴの選別をするように、人とつきあう
条件を問答無用で決定していた後ろめたさ。
規格外のイチゴは、廃棄されずにジャムになる。
こういう比喩も、幼馴染の関係もいい感じ♪


幼馴染との色んな恋が紹介されてはいるけれど
mokkoにも保育園から中学3年まで同じクラスだった
幼馴染がいました。
未だに尾を引いていて何と表現すればいいか
わからない思い出が甦ってしまった(^◇^;)

夢日記を書いている時のキーにもなった幼馴染(^◇^;)

文中のリンク先にも思い出があったりします。(;^_^A