龍の黙示録 水冥き愁いの街/篠田真由美 | mokkoの現実逃避ブログ

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発売日 : 2009/12/14
文庫 : 520ページ

~水の都に待つ美しき吸血鬼と聖槍ロンギヌス~

カトリックの総本山ヴァティカンが〈緋色の龍〉と畏怖する
吸血鬼・龍緋比古。
聖なるキリストの血を吸った龍の抹殺に枢機卿が動き出した。
教会を裏切った修道士セバスティアーノを拘束、
ヴェネツィアに移送する。
一方、龍と柚ノ木透子はセバスティアーノ救出のためイタリアへ。
そこで待ち受けていたのは美しき吸血鬼タジオだった……。
待望のイタリア三部作始動!
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龍の黙示録シリーズ 第6弾 イタリア三部作  第1弾

今回の舞台はヴェネツィア。
ヴァティカンから移送されてヴェネツィアに移動。
これ、セバスティアーノのことです(^◇^;)
ヘタレ修道士の為に舞台が移り変わる。

幻想的な舞台にヴェネツィアはハマりますねぇ~
なんせこの著者が以前にいたぶった、建築探偵:桜井京介も
ヴェネツィアに行ってますよね。
迷路のような街並みがまた想像できて楽しいです。

ヴァティカンに対する自身の気持ちに決着をつけるべく、
単身ローマへと旅立つセバスティアーノ
しかし、ここまで酷い扱いを受けると想像してた??
鞭打ち系の拷問なら、前作で体験済みだろうけれど
拷問って色々と種類があるとはいえ、胸くそ悪かったです。

意識のない状態で移送された先で待っていたのは、
師を龍に殺され、復讐に燃える200歳の美しき吸血鬼タジオ。
てっきりヴァティカンのまわしものだと思っていたら
セバスティアーノに対して、客人として失礼のない対応。
昔の貴族のような立ち居振る舞いと、執事のジェームズを
中心に人間の従僕達が見せるタジオへの信頼が窺える。

信仰に対する気持ちに決着つけるために来たのに
脳みそピンクにしてる場合じゃないだろうけど、
いや・・・それはそれで興味あるけど・・・
頭の中でグルグルと考え過ぎる輩は、なぜにヘタレ??
今回は透子までもがグルグルし始めたもんだから
ヒヤヒヤしましてよぉ~

っていうか、セバスティアーノだけでなく
龍までもが透子へ思いを打ち明けるシーンは
心がモゾモゾしました(;^_^A

しかし脳みそピンクにしてる場合ではない。
べタニアの姉妹はじめ、教会の刺客たちが水の都に集結。
しかも、いきなり襲ってきます。
そんな時でも脳みそグルグルさせるのは本当に勘弁して!
しかし、セバスティアーノも透子も闘う意味を見出します。
(´。`;)ホッ

だが油断してはいけないのですよ!
キリストを貫いた伝説の聖槍ロンギヌスが龍に迫る。
聖槍ロンギヌス・・・実はエヴァで初めて知ったから
今更ながら意味を知ったわ(^◇^;)

今回はメインキャラが別々の場所で戦っている。
そして予想外の事が起こり、セバスティアーノは
またも捕らえられてトリノへと連れ去られます。
最後の方のシーンは、是非とも映画館の大画面で
見たくなるような情景描写でした。

なるほど!イタリア三部作って、こういうことね!
マッチョな女戦士と、齢2000歳の吸血鬼とヘタレな
落ちこぼれ修道士のプラトニックな三角関係(○ ̄m ̄)
そして、メインキャストを増やして舞台は
ヴェネツィアからトリノへ・・・

今回もガツンとくるセリフがありましたねぇ

これは戦いだ。
神の代理人とやらが諸君らの崇めてきたものを否定しても、
それが真実守りたいのなら武器を取れ。
手を汚したくないものは去れ。

人間というのはいつでも万人に良き神より、己に利益を
与える悪魔につくものなのだな。

無限定に引き延ばされる生命が

責め苦にしかならなくなるのは時間の問題です。
生き物というのはもともと、限られた命を生きるように
出来ているのだから。
死を望むなら死なせてやるのが慈悲です