発売日:2004/8/1
ページ:407ページ
秘書の仕事を紹介され、鎌倉の洋館に通う
柚ノ木透子(ゆのきとうこ)
雇い主の龍緋比古(りゅうあきひこ)は、美術評論や
幻想怪奇の分野で有名な著述家だった。
ところが明治期にも同名の人物がいることから
「不老不死の吸血鬼では」と知人に脅され、白皙(はくせき)の龍に
不気味さを感じていた。
同じ頃、東京で吸血鬼出没の噂が流れ、行方不明者が続出。
そして、透子が目撃することになる信じがたい光景とは……。
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龍の黙示録シリーズ 第1弾
篠田さんの作品は建築探偵:桜井京介の事件簿シリーズで
夢中になって以来なのですが、これはちょっと予想外に
キャラ萌えしそうです。
最初は龍(ドラゴン系)の話かと想像していたんだけど
読み始めたら、吸血鬼ものか?と思ったけど、そうでもない。
メインキャラは、柚ノ木透子と雇い主の龍緋比古、そして
ライル?ライラ?の3人?
透子の父親は借金を作り、父の親友が肩代わりをした途端に
行方をくらませ、親友はそのせいで早死にした。
親友の妻は透子を引き取り、自分の娘:翠と一緒に育てたが
腹に一物ないわけがない。
それなのに、翠は透子を姉のように慕っていた。
という下地があります。
父親の借金を早く返すために、バイトをしていた透子は
バイト先で条件のいい秘書の募集の話を聞いた。
すったもんだあったが、美術評論や幻想怪奇の分野で
有名な龍 緋比古のお試し秘書をすることになる。
愛想の悪いメイドがいる龍の屋敷で働きだす透子だったが
龍の著書を読んだことがなく、友人に聞いたら
吸血鬼の噂がある事を知る。
確かに暗い屋敷の中でもサングラスをして、異常なくらい
肌が白くて不気味だったりするのだが・・・
そんな折、東京で吸血鬼の噂が出る。
ここでまさかのミリアム!
ついこの前読んだ吸血鬼ものの主人公がミリアム!
(;゚д゚)ェ. . . .ミリアムって有名な女吸血鬼だった?
と、一瞬焦るんだけど、偶然だったらしい(^◇^;)
これは予想外の話の流れになっております。
大好きなヴァンパイアものは、アン・ライスさんの
ヴァンパイアクロニクルズなんだけど、そこに出てくる
最初の血にちょっと似てはいる。
けれど、最初の血の持ち主が凄すぎる!
その血のせいで、持ち主にそっくりな姿で、持ち主の
再来を願いながら二千年も生きることになり、その血は
他の怪しい者達に常に狙われていた。
これは、mokko的には新しい!
結構宗教色強いです。
物語の進め方(作りこみ)も面白いです。
ライラに襲われそうになったり、龍をつけ狙う奴らに、
翠が人質にされたりして、ここでもすったもんだして
登場人物の一人に、ヲィヲィ(o´゚д゚`)っ)) 何の物語だ?って
突っ込みを入れたくなったり・・・
そういう背景があって、後半に物語は動き出す。
これはアクションものだった?とも思っちゃうくらいの
乱闘シーンもあり、久しぶりに心がジタバタしました(^◇^;)
透子と龍緋比古の意外な接点も、うまく繋がってました。
これが結構気に入っておりまして、「おかえり」と「ようこそ」
あぁ~いいなぁ~なんて、穏やかに思えるのも
すったもんだがあったからでしょうねぇ~
ありすぎじゃないの??
まぁ~おかげで続きが読みたくなりましたけどね(^◇^;)
気になったのが、透子の時々みせる男言葉。
そして頭が固過ぎるというか、意固地になってる描写が
ちょっとウザかったりもするけど、そうやって肩肘張って
生きてきたのだから、性格捩れてもしょうがないよね・・・
最後には恩田陸さんとの対談が載っていて、更に解説も
恩田陸さんで美味しい内容となっておりますо(ж>▽<)y ☆
そういえば、鎌倉という地名の由来は「屍蔵(かばねぐら)」
という説があるという。
この一説を読んで、あぁ~やっぱりなぁ~と思いました。
いいところだったけど、もう二度と行かないと決めた場所。
後に、どこに行ってきたと聞かれて、鎌倉と答えたら
お前が行く場所じゃないと呆れられた(-。-;)
ですよねぇ~(^◇^;)
さて、続きでも読みましょうか・・・
全9巻らしいから、全部読んでみようかなぁ~。
っていうか、あの人って、こんなイケメンだったの??
コワイわぁ~