原著:Patricia A. Mckillip
翻訳:原島 文世
ページ:349ページ
発売日:2009/1/9
レイン十二邦を統べる王の宮殿。
その下にある王立図書館で、捨て子だったネペンテスは育った。
ある日、魔法学校の学生から預かった一冊の本。
そこに茨のような謎めいた文字で綴られていたのは、
かつて世界を征服した王と魔術師の古い伝説だった。
おりしも年若い女王の即位に揺れるレイン十二邦は、
次第に運命の渦に巻き込まれていく。
名手マキリップが織りなす、謎と伝説の物語。
---------------------------
初めましての作家さんです。
Mirokuさんから頂いた本です。
これは気になってチェックしてはいたものの
購入しないでブックオフオンラインのお気に入りに
ずっと入っていた作品だったんですよ。
頂いたら安心して、更に7年も積んでました(;^_^A
海を臨む崖の上の宮殿と、地下にある図書館。
謎に包まれた森と空の学院。なんてステキな背景♪
孤児で王立図書館員に育てられ、司書となったネペンテス。
ここでは、孤児を引き取り司書に育てることが多い。
何故なら、この図書館、ひとつの街ほどの大きさ。
図書館の中だけでも生活できるっていうんだから
本好きさんは、みんな思ったはずです。
住みたい!!と・・・
別の意味でドキっとしたのが国の名前:レイン十二邦
どうしても十二国記を連想してしまう(^◇^;)
ある日、魔法学校の学生から預かった一冊の本。
茨のような文字で書かれた本にネペンテスは夢中になった。
どういう訳か、自分が訳さなければといけないと思い
他の司書には渡さなかった。
茨のような文字から薄っすらと見えてきたのは、
かつて世界を征服した王と魔術師の古い伝説、
アクシスとケインの物語だった。
これは現在と過去・・・というか古代を繋ぐ本。
過去と現在とを交互に描写していく中で
見えてくるネペンテスの出生の秘密
ネペンテス目線で読んでいて、いきなり気付く!
「はてしない物語」のバスチアンのように。
(゚O゚;ハッ!
主役はこっちか!!って・・・
従妹であり、親友であり、共に学び合い、
やがて王となったアクシスと共にある為に、
完全に姿を変えてまで着いて行ったケイン。
姫としての人生も選択できたはずなのに・・・
そして、力に目覚めた女王テッサラと
ネペンテスとケイン。
この女性三人がとった行動が収束していく過程が
お見事過ぎて感動してしまった。
愛する人に尽くし続けたケインの最後の決断に
唸るしかなかったです。これも愛よ!
いやぁ~壮大な物語を読んだって感じの読後感。
この軽い疲労感がたまらないです(〃▽〃)ポッ