東京少年/長野 まゆみ | mokkoの現実逃避ブログ

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現実から目を背けて堂々と楽しむ自己満足ブログ

 

文 庫:185ページ
発売日:2005/10/12

ぼく…祝常緑は、叔父と共同生活をしている十四歳。
母はぼくを産んだのちに家を出た。
父とも別に暮らしている。
ある日、ぼくは母に通じる手がかりをひとつ教えられた。
父と出逢った日、母は美しい黒椿を抱えていたと云う。
ぼくは「家族」について未だ何も知らない。
タワーの傍らの町で、ぼくは幻の花を追いかけはじめる。
そして、次々と謎が解き明かされ―。
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植物採取の為に世界中を飛び回っている父のせいで、
大学の研究室で働く叔父に預けられた14才の常緑(通称:ロク)。
叔父さんは無口な為、ロクは迷惑をかけていると思い
しっかりろと自分を鼓舞している姿が切なかったりする。
総菜店の光は口数は少ないけれど、何かと相談したりできるから
頼りになる唯一の相手でもあった。

そんなある日、出て行った母親の手がかりは、
自分の名前が彫られている椿の種子と、黒い椿が写った写真、
そして裏面に書かれた《Tsunomegawa》という文字だけ。
それでも「黒蝶椿」に魅せられて探し始めるロク。

ロクは雑誌宛に書いた質問のような手紙のようなものを
定期的に送っていたりする。
それが素直な気持ちが現れていて、何かステキだったりもする。

ごく狭い人間関係の中の出来事で、何も知らないのは
ロクだけだったりする。
光に説明されてモヤモヤしてるロクがなんとも哀れ。
BL的な思わせぶりな描写はいらなかったなぁ・・・

14歳という思春期に宙ぶらりんの位置にいるロク。
けれど周りで大人たちの思惑が交錯しているのに、
何気に大事にされているよね。
まぁ~誰もかれもが意地っ張り過ぎて、悩まなくていいところで
右往左往して、肝心のロクの気持ちは無理って・・・

朔朗の本当の思いがわからなくてイラッとしたけど
裸足で追いかけて通報されたり、心労で倒れたりと、
かなり空回りしている。
無駄なことしないで、最初からぶつかっていればいいのに!
大人たちの大人げない行動がロクをシッカリさせたのか?

とりあえず、血の繋がりとか、遺伝とか、そういう
遺伝子レベルの組み合わせの話って、好きなのかなぁ~
長野さんのSFって、結局そこに行きつく気がする。
これはSFではないですけど(^◇^;)

漢字の使い方が美しいのは相変わらずです!
この本、何で買ったのかなぁ~
(-公- ;)ウーン 謎だ・・・