あなたの本当の人生は/大島 真寿美 | mokkoの現実逃避ブログ

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現実から目を背けて堂々と楽しむ自己満足ブログ

 

文 庫:340ページ
発売日:2017/10/6

 

「書くこと」に囚われた三人の女性たちの
〈本当の運命〉は――
新人作家の國崎真実は、担当編集者・鏡味のすすめで、
敬愛するファンタジー作家・森和木ホリーに
弟子入り――という名の住み込みお手伝いとなる。
先生の風変わりな屋敷では、秘書の宇城圭子が
日常を取り仕切りっていた。
初対面でホリー先生は、真実のことを自身の
大ベストセラー小説『錦船』シリーズに出てくる
両性具有の黒猫チャーチルと呼ぶことを勝手に決め、
真実は戸惑うばかり。
書けなくなった老作家、その代わりに書く秘書、
ギャンブル狂の編集者、老作家の別れた夫……
真実の登場で、それぞれの時間が進み始め、
女三人の生活は思わぬ方向へ。
その先に〈本当の運命〉は待ち受けるのか?

『ピエタ』が2012年本屋大賞3位になった著者の、
2014年直木賞候補作。「書くこと」の業を、
不思議な熱を持って描いた前代未聞の傑作!

これは書く女だけの小説ではなくて、人生の考察小説だ──
解説・角田光代

☆森和木ホリー
 才能なんてしょせん得体のしれないもの
「錦船」シリーズが大ヒットしてジュニア小説の女王と呼ばれる小説家
☆宇城圭子 
 その娘がやって来たら、何をしよう。
 まずはホリーさんと二人、あの白い部屋に閉じ込めてみようか。
 公務員からスカウトされて以来20数年間、ホリーの有能な秘書。
 ホリーによると人殺し?
☆國崎真実
 なんかもう、コロッケの声が聞こえるっていうか。
 編集者の助言でホリーの内弟子となった新人作家。
 コロッケ作りの名人。
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初めましての作家さん

Mirokuさんから頂いた本です

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なんかあらすじ?商品説明?が詳し過ぎないか?(^◇^;)
まさにそのまんまです。
最初、ゴーストライターの話かと思ったのに違ってた。

普通に公務員としてイベントの裏方仕事をしていた時
作家:森和木ホリーに〈あなたの本当の人生〉はそこにないと
指摘され、スカウトという形で秘書になった宇城圭子

新人賞を受賞したものの、その先が続かずに
担当編集者・鏡味のすすめで、憧れの作家:ホリーさんの
内弟子として屋敷に招かれるも、思っていた事と違っていて
数日で逃げ出したけれど、結局連れ戻され、何故か
コロッケを作りだして脇道を爆走する新人作家:國崎真実

「錦船」シリーズが大ヒットしたものの、病気で入院して以降
続きは書いていない、高齢となったホリーさん。
彼女には人には見えない不思議なモノ?本質?が見える?
執筆しなくなってから、マンネリ気味の生活を送っていたのだが・・・

國崎真実がホリーさんの屋敷にやって来た途端に空気が動いた。
ホリーさんは、真実を自身のヒット作に登場する猫の
チャーチルだと言い張った。
逃げ出した真実の未来の居場所すら見えていた。

ホリーさんの有能な秘書:宇城圭子は、真実がカンフル剤になって
ホリーさんに小説の続きを書かせるか、真実に書かせるか
すぐに計算したんじゃないかと思ってしまった。
エッセイなどは、ホリーさんのフリをして書いてはいるけれど
ヒットシリーズの続編は書けない。

そこまでの才能が自分にあると思っていない。
けれど真実にはそれができるかもしれないと、色々と
画策しようとするけれど、猫のように行動が読めない。

担当編集の鏡味にホリーさんの弟子入りを勧められたことで、
自分には才能があるのでは?と思って、書き溜めていた作品を
ホリーさんに読ませたりするけれど、反応の薄さに苛立つ。

屋敷内の白い部屋の中で見た夢のような体験をしながら
実際に寝てしまった真実をホリーさんが発見して、
猫のチャーチルとして、そこにいることに気付き
その二人を発見した宇城圭子は、ホリーさんが真実に
何かを・・・「あなたの本当の人生は・・・」という話を
したのではないかと疑う。

あなたの本当の人生は・・・これに一番執着したのは
宇城圭子だったかもしれないと思ったのだけれど
ホリーさんでもあったような気もするし
編集の鏡味だったような気もする
離婚した旦那さんでもあった気もする
「わたしには物語が必要なんだ」というセリフが
ものすごくわかる!

気付けばどこかで錦船が動き出し、ニキとシキが並び
黒猫チャーチルは舳先で、行き先を示すかのように
ツンとすましてるけど実はドヤ顔っていうのが見えるよう。
長野まゆみさんの、三日月少年漂流記を
ちょっとだけ連想しました。

 

「ハシバミ色の不吉な空」のシーンの回想で
山葡萄のワインに喰いつきました。
苦いばかりじゃないか!とニキがシキに文句を言う。
これは、飲んだことのある人しかわからないだろうなぁ
mokkoはある、超酸っぱくて、ちょっと苦い。
だから小さい頃、お砂糖を入れてもらって飲みました。

白い部屋で、歌を口ずさんだホリーさん
あの歌は「宝島」を思い出しました。

 

色んな事を思い出したり、想像し過ぎたりして
これ、うまく感想が書けないですよ(^◇^;)
〈あなたの本当の人生は・・・〉
これはホリーさんの周りにいた人達の
数奇な人生のパッチワークでしょうか・・・
それにしてもスゴイものを読んだなぁ~