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死神憑きの浮世堂 迷宮の戻り人 (2) (小学館文庫キャラブン!)
638円
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ページ:253ページ
発売日:2018/11/6
人形修理工房〈浮世堂〉の主人・城戸利市のもとに、悪友の
僧侶・愚浄から日本人形がらみのトラブル解決依頼が舞い込む。
依頼主は伊武冬馬。ドイツの血を引く青年だった。
利市は冬馬に不思議な縁を感じて……。
「骸屋」という家業の一族は、依頼者が頼んだ愛する死者の身体を
時代を超えて保存し続け、あるタイミングで別の人間から
魂を奪いその死者に移す。魂を奪われた人間は死ぬのだ。
骸屋の技を継ぐものは永遠の命を得て死なない。
そんな一族に現代の人形修理師・利市が挑む、
絶品オカルト・ロマン! ゾクゾクと哀しみが止まらない・・・!
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シリーズ2作目
やはり1作目は背景の説明にまるまる使われた感じですね。
あれは重い上に、怒りと虚しさが激し過ぎて辛かったです。
本作では、やっとまともな仕事が見られます。
もちろんシリーズですから、骸屋や死神、忘れ得ぬものが
潜んでいるんですけどね・・・
愚浄の紹介で、伊武冬馬の管理する築百八十年の
古民家に憑いた人形の祟りを鎮めて欲しいと言われ、
行ってみたのだが人形そのものに怨念は感じない。
業者に事故が頻発するのには理由があると考える。
祟りの原因を突き止め無事に解決に導いた利市と愚浄。
その後、利市の仕事場を訪ねてきた冬馬。
知人の人形の事で相談され、依頼を受けることになるのだが
いきなり訪ねてきた上に、よりにもよって、ぬいに
接触したことで利市は冬馬に嫌な感じを覚える。
依頼主の倉崎は舞台演出家で、病死した妻は名高いプリンシパル。
依頼の物は倉崎がクリスマスに妻に贈ったオルゴール。
白鳥の湖に合わせてバレリーナが踊りだす仕掛けになっているが、
倉橋が自ら破壊し、また、それを見て涙する。
ここでも見事に依頼に応えてみせる利市だったが・・・
今作は、利市の目線と伊武冬馬の目線で話が進みます。
利市が人形修理に絡んだ問題に取り組む様子を楽しめ、
原因と理由付け、持ち主への思いと人形修理師としての
見方や考えの深さに思わず唸ってしまいました。
職人のこだわりっていいですね!
ただ、そこだけで話しが終わるはずがない。
シリーズですから(^◇^;)
冬馬目線の話はネタバレになるので書けない(^◇^;)
利市と握手をした瞬間、驚愕した冬馬。
利市に対して謎の執着をみせる冬馬。
以前、ぬいを護衛していた片桐からの電話。
伝説の骸屋・・・一人の生き残り・・・忘れ得ぬ者・・・
ハイスペック愚浄が調べた伊武家の情報。
日本刀で切りかかる悪夢を見るようになった利市
そこに隠された衝撃の真実とは・・・
死期の近い冬馬の育ての母の望みで、大切にしていた
大きなクマの縫いぐるみの修復も請け負う。
その修復にみせるこだわりの数々に溜息。
そして後半のドタバタにキター!と思いながらも
ヒヤヒヤさせられました。
更に、冬馬目線の時に出てきた老人。
伏線を張って、ちゃんと回収してくれて今回は満足です。
最後、ウルっとしてしまいました。
死神も忘れ得ぬ者も、勝手に生き返らせられた者も
そして、偶然立ち会ってしまった人間の思いの強さも
それぞれの心の繊細な部分をうまく描いてくれていて
骸屋には未だに納得がいかないけれど、楽しめました。
怪しいのは愚浄でしょう(^◇^;)
利市に何をする気ですかぁ~ヾ(≧□≦*)ノ
ただ、利市とぬいは・・・
なんというか違うと思うんですが・・・
そこだけがモヤっとします(-。-;)