魍魎桜 よろず建物因縁帳/内藤 了 | mokkoの現実逃避ブログ

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十二国記から抜け出すためには、カンフル剤が必要で

それにピッタリなのが、大好きなシリーズですよねぇ

仕事帰りに買いました。(^◇^;)

 

ページ:304ページ
発売日:2019/1/23

魂呼び桜には恋と呪いが宿る。
祓い師・仙龍の死期が迫るなか、
彼を想う春菜が下した決断とは――。

土地を支えていたのはミイラ化した人柱だった。
漆喰の繭に包まれた坊主の遺骸が発掘されると同時に、
近辺では老婆の死霊が住民を憑き殺す事件が多発。
曳き屋・仙龍と調査に乗り出した広告代理店勤務の
春菜が見たものは、
自身を蝕む老婆の呪いと、仙龍の残り少ない命を示す
黒き鎖だった――!
ひそかに想いを寄せる仙龍のため、春菜は自らの
サニワと向き合うことを決意する。
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よろず建物因縁帳シリーズ 第5弾

鐘鋳建設の経営者で曳き家師である仙龍は、
古い建物や土地の因縁を解き明かし、それを祓って
未来へつなぐ流派である隠温羅(おうら)流の導師。

一方、歴史的建造物と関わりの深い営業職の春菜(はな)は
旧家の土蔵を曳く仕事で仙龍と知り合い、42歳の厄年に
亡くなるという宿命を持つ仙龍にぞっこんだったりする。
仙龍への想いと、自分の気の強さと、仕事が見事に絡み合い
思うようにならず悶々とする春菜である。(○ ̄m ̄)

今回、仙龍に呼ばれて向かった先は普通のお宅だった。
キッチンの配管の詰まりの原因を突き止める為に、
家に入った春菜は、いきなりサニワ?というか霊感を発揮。
怪異の原因を作った女の敵を一刀両断どころか
ケチョンケチョンにしてやった。
さすが春菜さん!スカっとしました。

しかし、移動しようとした時、仙龍の足首に絡みつく
黒い鎖のような影を見た・・・

その後、ケガで入院したという小林教授を訪ねた仙龍達は
地滑り現場で八百年程前から語り継がれている伝承通りに
人柱が埋まっていた事を聞いた。
同時に老婆の幽霊が目撃されるようになったらしく、
伝承と老婆の関係性が謎で、仙龍に現場を見て欲しいと依頼。
更に、民俗学的見地からも大発見なので春菜も営業モードに。

現場近くには大きな枝垂桜が聳え立っていた。
そこで老婆の姿を目にした春菜は、老婆が仙龍の
背に乗ったのを見た。
これは仙龍の足首に絡みつく鎖のような影や、宿命と
関係あるのではと考えた春菜は、仙龍に内緒でコーイチを誘い
雷助和尚の元へ向かったのだが・・・


今回は、樹齢800年を越える枝垂桜に秘められた
伝承では伝えきれなかった真実が明らかになる。
仙龍がサニワの力を貸してくれと頼み、桜と対話する。
春菜を間に入れることで、仙龍にも老婆の姿が見えた。
その一途な想いの強さに涙が止まらない春菜。

これにはmokkoも泣いた(T□T)
途中、トラブルがあったものの隠温羅流は約束を守るという
仙龍の一言で、早急に準備が整えられ、そして鐘鋳建設の
隠温羅流の儀式が始まる。

やはりこのシーンが美しくて好きだなぁ~(〃▽〃)ポッ
今回は鳥肌立ちましたよぉ~
そして、どうなるかの想像はできてたんだけど、
やっぱり泣いてしまった。

更に、憑き御寮に出てきた庭師も鐘鋳建設の関係者として
登場していて嬉しかったり納得したり(^◇^;)
いつものように、ちょっとした蘊蓄も読んでいて楽しい。

今回、一番ビビったのが、春菜がコーイチと一緒に
和尚に会いに行った帰り、和尚がコーイチだけを呼び止めて
言った言葉が怖かった。そっち?って感じ。
更に、コーイチに急げと急かすところが余計に怖かった。

仙龍を助けようと必死になっている裏で、
春菜を助けるために皆が必死になっていた。
こういう優しくて暖かい関係性が大好きです!

いまいちよくわかっていないサニワ。
隠温羅流にサニワが必要なのは、サニワを通して
声なき声を聞くから。
どちらにも偏らない、強くて真っ直ぐな心を通して
因縁の潮時や自然の流れを知る。
あるものを、あるべき場所に納めるために・・・
今回のお話は、それがよくわかるお話でした。

隠温羅流導師を継ぐ者は、他界する前夜に
決まった現象が起こるという。
仙龍の寿命を思わず逆算してしまい
呪われた宿命から早く救ってくれと春菜に願う今日この頃。