白銀の墟 玄の月 第三巻 十二国記/小野 不由美 | mokkoの現実逃避ブログ

mokkoの現実逃避ブログ

現実から目を背けて堂々と楽しむ自己満足ブログ

 

ページ:384ページ
発売日:2019/11/9

新王践祚―角なき麒麟の決断は。
李斎は、荒民らが怪我人を匿った里に辿り着く。
だが、髪は白く眼は紅い男の命は、既に絶えていた。
驍宗の臣であることを誇りとして、自らを支えた矜持は潰えたのか。
そして、李斎の許を離れた泰麒は、妖魔によって病んだ傀儡が
徘徊する王宮で、王を追い遣った真意を阿選に迫る。
もはや慈悲深き生き物とは言い難い「麒麟」の深謀遠慮とは、如何に。
---------------------------
第三巻

怪我人を匿っていたという里に辿り着いたものの
その人は亡くなっていた。しかも髪は白く眼は紅い?
間に合わなかった・・・?
初っ端からヒヤヒヤさせてくれる。

2巻までと違って、色んな事に理由付けされていく。
阿選が何故起ったのかについての言い訳とか?
自問自答みたいだったけど・・・
でも、見るところはちゃんと見ている。

何かを成す時、ほとんどの者が、自分以外の者を退らせようとする。
けれど驍宗は自力で前に進む者だった。
競い甲斐のある相手だった。
なのに・・・
そこまで憎いのか?執着しすぎておかしくなった?
その考え方が周到すぎて恐ろしい。

更に、琅燦の行動が謎すぎる。
驍宗が王だといい、平気で阿選を嘲る。
なのに・・・意味わからん!

そして、気になっていた事=まき散らされた伏線が
どんどん回収されていく。
これはテンション上がりますよぉ~

更には過去作品にまで触れている。
『魔性の子』や『月の影 影の海』や『黄昏の岸 暁の天』
『華胥の幽夢』に収録されている「冬栄」
懐かしくも切なくなってしまったではないの。

泰麒が初めて麒麟に転変し、驍宗のもとに駆けた時に
下山しようと火を囲んでいた時の話の内容だったり
驍宗は、黄海で朱氏から狩りを学んでいたとか・・・
そういえば、小さい泰麒にも、そう言ってたよねぇ

そういう学びが自分を救うんですよねぇ
暗闇の中、一人切りで6年以上もいたのに諦めないだけでなく
祭祀までちゃんとやっていた。
もう尊敬するしかないでしょ~

そして、慈悲の麒麟とは名ばかり状態になっている泰麒
失敗はできない。だから抜かりなく慎重に、侮らず
けれど毅然とした態度で敵対勢力に対峙する。
でもこの状態だと、泰麒は穢瘁(えすい)にかかる・・・
アワワ ヽ(□ ̄ヽ))...((ノ ̄□)ノ アワワ

力入るけど、今まで積み重なっていた力が抜ける巻です。
なんか勢いに乗って行けそうな気がしてきた!
いや・・・そう甘くない事は知っている。
だって、十二国記だもの!

繋がっている過去作を、もう一度読みたくなりました。
既に、保存版段ボールから引っ張り出しましたぁ~(^◇^;)
っていうか、自宅では基本、読書はしないんですけど
我慢できませんでしたぁ~(^◇^;)