白銀の墟 玄の月 第二巻 十二国記/小野 不由美 | mokkoの現実逃避ブログ

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ページ:421P
発売日:2019/10/12

民には、早く希望を見せてやりたい。
国の安寧を誰よりも願った驍宗の行方を追う泰麒は、
つい に白圭宮(はっけいきゅう)へと至る。
それは王の座を奪い取った阿選に 会うためだった。
しかし権力を恣(ほしいまま)にしたはずの仮王には
政(まつりごと)を治める気配がない。
一方、李斎は、驍宗が襲われたはずの山を目指すも、
かつて玉泉として栄えた地は荒廃していた。
人々が凍てつく前に、王を捜し、国を救わなければ。
──だが。
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第二巻

白圭宮に入ったとはいえ、軟禁状態にある泰麒。
そこで見かけた魂を抜かれたような「病んでいる」者達。
ようやく阿選の側近く、雲海の上へと入ったのだが
そこに見た王宮は、立ち直ろうという意志すらみえない。

阿選を支持する者、阿選を憎む者、驍宗を支持するもの、
現状維持を望む者。何を考えているかわからないもの。
それぞれの思惑があっても動けずにいる。
なにより阿選が動こうとしない。

驍宗の身内のような存在だった者は阿選についている?
冬官は呪術も使うというが・・・

そして泰麒の予想外の行動。
慈悲深い麒麟とか、幼くて頼りなげな泰麒からは想像できない
ハッキリとしたもの言い。
そのおかげで、泰麒の周りには泰麒を本当に思う者が集められた。
泰麒たちは、白圭宮から民を救おうと動き出す。

阿選が出てこないことをいいことに好き勝手していた張運は
天の意思について考えることになる。
何よりも天命が優先され、天の意思は麒麟にしかわからない。

一方、李斎たちは、驍宗を見つけることで国が救われると信じ
驍宗を探して噂や目撃情報を拾い歩いていた。
そこで蓬山で驍宗側の従者をしていた者と再会するものの
戴のやるせない現実を思い知って、意気消沈する。
荒廃が作った土匪。土匪の占拠を許す現状と土匪の厳しい暮らし。
あふれる荒民に宝の奪い合いと殺し合い、餓死。
不法に腐敗、それが正される様子もない。

ようやく手がかりを掴んだと思った時
とんでもない噂が耳に入る。
泰麒と李斎が離れている事で、意思の疎通ができていない。
李斎は、まさか泰麒が白圭宮にいるとは思ってもいない。
項梁ですら、泰麒の言葉に驚愕しっぱなしだから
離れている李斎の混乱ぶりは理解できます。
その心情を思うと、心が痛い!

それでも気になる描写がポロポロ出てくる。
かつて昇仙した道士を求めて函養山に向かう親子。
函養山に王と共に入り、王を連れずに戻ったという
赤黒い鎧を着た赭申と呼ばれる腕の立つ者たちの行方。
古い時代の石を隠すために作られた、要石を置いた仕掛け。
貧しい親子が、一月に一度淵に流す供物の行方。
閑散とした王宮のそこここで鳴く鳩。
汕子も傲濫は、どうなっているのか・・・

玉座が欲しくて奪っていながら阿選は何故何もしない?
更に、阿選が天に選ばれない理由とは?
色々と気になる事が多すぎます。
やっと明日、続きが発売です。
待ちきれないですぅ~!って待つけど(^◇^;)