人魚ノ肉/木下昌輝 | mokkoの現実逃避ブログ

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発売日:2018年06月
頁 数:448P
定 価:本体840円+税

人魚の肉を食べた者は不老不死になるというが…
舞台は幕末京都、坂本竜馬、沖田総司、斎藤一らを襲う

不吉な最期。奇想の新撰組異聞。
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初めましての作家さん。
 ↓クリックレビュー
Mirokuさんに頂いた本です。

Mirokuさんのレビューを読んでから、早く読みたくて
ウズウズしておりました。
史実を上手に利用して、そこに人魚の肉を紛れ込ませ
表面的には何も変わっていないように見せている。
これは面白い!というか上手い!

竜馬ノ夢
妖ノ眼
肉ノ人
血ノ祭
不死ノ屍
骸ノ切腹
分身ノ鬼
首ノ物語

ことの始まりは、坂本龍馬・中岡慎太郎・岡田以蔵の三人が
まだ幼かったころに、土佐の浜に打ち上げられた人魚の肉を
竜馬と以蔵が喰った。
その後、暴れに暴れた二人だったが、なんと以蔵が
人魚の血と肉を隠し持っていた。
月日は流れ、人魚の血と肉は幕末の新選組の手に渡り・・・

竜馬ノ夢での坂本龍馬。
mokkoの脳内竜馬は、

日曜劇場JIN-仁-の竜馬役:内野聖陽さん

土佐弁の声まで内野さんの声で聞こえてきまして、
おなじみのシーンが描かれておりました。
そして人魚の肉を食らった結果は・・・なるほど・・・
誰も知らない。気付かない。

妖ノ眼の平山五郎。片目を失っているのに
死角からの攻撃に強かった理由が・・・
なるほどねぇ~
そして、脇役?で出てくる芹沢鴨。
好きじゃないけど、ますます嫌いになりました。

肉ノ人の沖田総司。これが読みたかった。
が・・・労咳ではないことになってはいたけど
考えましたねぇ~
池田谷での、あのシーンが・・・なるほどぉ~!
でもでも・・・労咳でなくても、結局苦しむんですよね。
凄まじいほどの意志の強さとはいえ、これが辛くて・・・
そうだよねぇ~史実に紛れ込ませて誰も気づかない。
そういう作りだったんだものね・・・
それでも最後だけは涙出ました。
山南さんに、平助、左之助、近藤さんに井上さん。
そうであって欲しいって思いました。
猫もちゃんと出てました。そういう役割だったのね。

そして、もう一つの気がかりが、骸ノ切腹の近藤勇。
介錯に失敗して親友を苦しませながら死なせた沼尻小文吾
このシーンもドラマで見た気がします。
いつも右側に立っていた親友の気配を見ないように
左側だけ向くようになった横向き小文吾。なるほど。
切腹を許されず、斬首された近藤勇の首はいつの間にか
いなくなった。
その首の行方は・・・
あぁ~ここでも、ちゃんと思いを落とし込んでくれた。

斎藤一の分身ノ鬼は、ちょっと不満が残ったものの
他の作品たちも、なるほど考えて作られている。
想定外だったのは、割と好きなキャラだった山崎烝の
弟が色んなところに顔を出している。
これは完全にスルーしてました(^◇^;)

人魚の肉を喰らえば妖に憑かれ、血を飲むと不老不死になる。
想像以上に面白かったです!