ページ数:325P
発売日:2011年04月
香菜里屋シリーズ完結編
当店の裏メニュー。それはお客様が持ち込む謎と、その解決です。
ビアバー香菜里屋は、客から持ちこまれる謎がマスター・工藤によって
解き明かされる不思議な店――。
常連客は、工藤による趣のある料理とともにこの店を愛していた。
だが、その香菜里屋が突然たたまれてしまう。
そして若かりし頃の工藤の秘密が明らかになる。
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シリーズ完結編。未完となった「双獣記」も収録。
「ラストマティーニ」
池尻にある「プロッショナルバー香月」の店主、香月が
「BAR谷川」を訪れ、早めの〆のマティーニを飲んだところ
ベテランバーマンらしからぬ味だった。
そのことを指摘した香月だったが、その後、BAR谷川は閉店。
プライド故の閉店かと思われたが、導き出された真実は・・・
「プレジール」
香菜里屋の常連である七緒と、常連仲間だった明美は
祖母の介護で2年を消費し、祖母の死後、ようやく七緒と
再開したものの、体調不良で連絡が途絶えた。
しばらくして、再会を果たしたものの、またも体調不良により
姿を消した。明美の身に何が起こっているのか・・・
「背表紙の友」
香菜里屋の常連である東山は、たまたま店を訪れた男女と
話が盛り上がり、東山は、中学生の頃のいたずらを
話して聞かせるに至ったのだが、後に、香菜里屋に
背表紙の友へという荷物が届き、工藤は東山宛だと言うが・・・
「終末の風景」
香菜里屋のそれぞれの常連客が、感じた違和感。
ほんの少しのことなのに、常連だからこそ感じる違和感。
気付いたのは、香月だったのだが・・・
「香菜里屋を知っていますか」
雅蘭堂に、香菜里屋と工藤の行方を聞きに男がやって来る。
店の事を話して聞かせるが、男の様子に不信を抱き、
香月を紹介する。
後日、香月を訪ねた越名だが、その男は来ていないという。
その日、店舗を持たない骨董屋・旗師の宇佐見陶子が店にやって来て、男は陶子の元にも現れ、工藤のことを聞いていったという。
男は、かつて工藤達が修業していた店で働いていた男だった。
男は蓮丈那智の元にまで現れ・・・
解説「北森 鴻を知っていますか」
これを読んで、未読の作品がまだある事を知ったので
買わないとぉ~
「双獣記」未完
古代吉備王国の謎に迫るファンタジー?
厩戸皇子が、威努(イヌ)、佐流(サル)、吉路(キジ)という鬼神?を使い、蘇我蝦夷と戦う?んでもって、父の馬子とは対立していて
厩戸皇子が悪で、蘇我蝦夷が善というファンタジーだと思う。
続きが読みたいのに読めない・・・εミ(ο_ _)οドテッ
常連客の一部が、結婚や仕事で東京を離れる。
そして工藤も・・・
読みたいけど読みたくない。なんとも微妙な心のざわめき。
北森氏が存命であったなら、こうも心がザワザワしないのかと
思ってみたり・・・
けれど表題作である「香菜里屋を知っていますか」で
雅蘭堂(がらんどう)の名前が出てきた時は、あやうく
声を出しそうになりました。
それだけでなく、北森作品のメインキャラ達が出るわ出るわ
キャァ♪~~(/≧∇)/\(∇≦\)~~キャァ♪
孔雀狂想曲の越名集治&安積
旗師・冬狐堂の宇佐見陶子
蓮丈那智フィールドファイルの蓮丈那智&ミクニ&高杉
なんて素晴らしいファンサービス!
これはテンション上がりまくりですよぉ~
ここに、絵画修復師の佐月恭壱がいてくれたら
鼻血ブーでした(^◇^;)
この主要キャラ達によって、過去に工藤達に降りかかった
事件の真相が導き出される。
「優れた酒場は賢者の集まりだよ」
蓮丈那智のこのセリフに鳥肌立ちましたよぉ~
工藤を探し回る男の粘着質な執着に
ぶっ飛ばしてやりたいと思いましたよ。
そして店名である香菜里屋の意味。
そうだったのかぁ~・・・ちょっとしみじみしました。
ここでシリーズは終わってしまうけど、北森氏が
生きているならば、どこかで工藤のその後を
描いていたのでは・・・と思って切なくなりました。
そして、工藤が香月の店に行った時に、選んだウイスキー
カナディアンクラブ・・・
大昔、好きで飲んでました。癖のある懐かしい香りまで
工藤が残して行ってくれたみたいで、切なくなりました。